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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
J1-2nd第15節
松本山雅FC×サガン鳥栖@松本平広域公園総合球技場
解説:林健太郎 実況:八塚浩 インタビュアー:永田実
【松本山雅FC 反町康治監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:お疲れさまでした。まずは今のお気持ちを聞かせて下さい。
A:リーグ全体を見渡した場合に我々の位置というのが
非常に厳しい状況にあることは間違いない訳であって
勝ち点1でも厳しい状況の中でゼロというのは
より厳しくなったかなというのは正直な感想ですけど
今日のゲームを振り返ってみると得点してからの2点目のチャンスと
やっぱりセットプレーでの失点、自分たちの単純なミスからの失点と。
言い方は変ですけども、J2ではそういう所で向こうが外してくれたりする所は
J1では許してもらえないということを
ずっと口を酸っぱくして言ってきたんですけど
やっぱりこういうゲームでもそうした形が出てしまうと。
これが我々の現状という風な言い方しかできないなと思います。
Q:残留の懸かった非常に厳しいシチュエーションのゲームの中で
こういったホーム最終戦という雰囲気でしたが
特にメンタル面では選手たちにどういった準備やアプローチで
この試合に送り出したのでしょうか?
A:ホーム最終戦ということで感謝の気持ちも含めて
我々のことをこういう状況であれ、たくさんサポートしてくれる方に
本当に魂のこもった試合をしなくてはいけないと。
それがそのまま勝ち点3に繋がるということで送り出しました。
Q:オビナ選手にボールを入れながらという所でしたが
攻撃面の部分での手応えや修正点は改めてどのあたりでしょうか?
A:前半はなかなかボールが落ち着かなかったので
攻撃のスイッチがなかなか入りませんでしたけども
後半はかなり要所要所で、特にサイドの所で数的優位を創ったりとか
シュートチャンスはあったんですけども
少し単発的な攻撃が多いというのは認めざるを得ないと思いますね。
それとやっぱり攻撃の厚みがないかなと思います。
Q:攻撃の厚みを付けるために
後半から前田選手を投入するという選手起用だったのでしょうか?
A:そうですね。最終ラインがあまり向こうは足が速くないということで
ウィリアンのスピードと突破力に賭けた部分もあるんですけど
後半から行く所まで行って(前田)直輝を途中からという形で
プランしていた所はあります。
Q:そのあたりは工藤選手とキム・ボギョン選手を欠く
苦しい中でのやり繰りでしたが、逃げ切れなかった部分の原因は
どのあたりだとご覧になっているでしょうか?
A:ケガ人はどのチームでもあることで
それは言い訳にできないと思いますけども
得点をしてからの安定感というのが少しなかったと思いますね。
やっぱりセットプレーでも
豊田が入ってからは高さも増していますし
つまらないファイルでFKを与えてしまって
しかも競り合いに勝てないということになると
我々にとっては非常に厳しい展開になるということは
もう重々承知の中でやっていましたけどね。
Q:今後の残りのシーズンに向けて、抱負を改めて聞かせて下さい。
A:リーグはあと2試合あります。
天皇杯もありますので、天皇杯はタイトルが懸かった大会ですので
先に進みたいと思いますし
リーグも最後まで可能性がある限りは
ベストを尽くして頑張りたいなと思います。
【サガン鳥栖 森下仁志監督インタビュー(試合後・中継内)】
Q:先行を許す苦しい展開でしたが、今日の試合と
それからこの時期に残留を決めたということで
今のお気持ちを聞かせていただけますか?
A:まず初めに本当に今日もたくさんのサポーターの方に
この遠い松本まで来ていただいて、
たくさんの人がテレビの前でも応援して下さっていると思いますし
本当になかなか簡単なシーズンではなかったですけど
本当にサポーターの方たちに感謝の気持ちを
この場を借りて言いたいと思います。
今日は本当に簡単じゃない試合で、これだけのアウェイの雰囲気で
1点目のPKは少し難しい形で与えましたけど
ビハインドの状況から1点目はこれまでの彼ららしさで同点ゴールを奪って
2点目は今年やり続けてきた中央からの崩しを
本当に一番大事な所で出してくれて
今日の1試合で物凄く選手も成長できたのかなと思っています。
Q:物凄くシビアなシチュエーションで
こういったスタジアムの雰囲気もあった中で
監督もお気持ち的にグッと来ているようにお見受けしますが
そのあたりはいかがですか?
A:もちろん来年もJ1で彼らはやる力も権利もありますし
それを達成できたのもサポーターの方たちの応援、
選手の頑張りだと思います。
まだまだ2試合ありますし、次のホーム最終戦で
何とかまたサポーターの方に恩返しをしたいなと。
プラス天皇杯もあるので、何とか元日のスタジアムに
素晴らしい鳥栖のサポーターの皆さんを連れて行きたいなと思います。
Q:前半は主導権を握りながら先行を許す展開でしたが
そこから見事に立て直して逆転に成功しましたね。
A:本当に今年はもう自分たちが攻守に主導権を握ろうと。
そういう風な形で1年間スタートしましたし
本当に難しい状況でも選手は勇気を持って
ボールを動かそうとやり続けたのが
逆転に結び付いたかなと思います。
Q:改めてまだシーズンは残っていますが
この先に向けて抱負を聞かせていただけますか?
A:もちろん今シーズンもありますし
まだ毎試合毎試合、毎日毎日成長し続けることが必要ですし
ここに来て本当に凄く競争力が上がっているので
これを維持しながらチーム力を上げていきたいと思います。
【サガン鳥栖 水沼宏太インタビュー(試合後・中継内)】
Q:ゴールの直後は何度も何度もガッツポーズが出ましたね。
A:そうですね。今日に懸ける想いというのは
みんな凄いピッチ上で現わしていましたし
最後に仕上げといった部分であまり仕上げができていなかったので
しっかり決められて良かったです。
Q:前半からペースを握りながら先行を許して
しかもこういったシチュエーションのアウェイのスタジアムで
相当苦しい戦いだったのではないでしょうか?
A:そうですね。このスタジアムは本当に独特な雰囲気がありますし
慣れない芝でちょっと詰まる感じがあったので
みんなちょっとやりづらさがあったんですけど
時間が経つにつれて少しずつペースを握り始めたので
ああいう形でしっかりゴールを決めることができて良かったです。
Q:改めて残留を確定させたあのゴールを振り返っていただけますか?
A:ゴール前でちょっと余裕を持てたので
しっかりトヨくんを見て、ワンツーという形で抜け出すことができて
冷静にキーパーを見てシュートが打てたので
満足の行くゴールです。
Q:豊田選手がスタメンに名前を連ねないゲームは
これでリーグ戦は5試合連続で
前半から少しスペースに何人か他の選手が顔を出しながら
ゴール前に迫るシーンがありましたが
あのあたりは狙いとしている動きなんでしょうか?
A:ロングボールを使わない分、足元でという形で
相手のディフェンスもロングボールに強いという風にわかっていましたので
しっかりサイドの選手が動き出して
3人目や4人目という形でゴールに迫っていく形ができていたと思うんですけど
シュートがなかなか打てなかったので
ちょっとそこが課題かなと思います
Q:それをやり続けた結果が
後半から豊田選手や鎌田選手が入って
あの形に結び付いたということでしょうか?
A:色々なストロングが結び付いて点に重なったと思うので
どの選手が出ても色々な形で色々な攻撃ができるように
これからも積み上げていきたいと思います。
Q:残留も決まりました。この点についても聞かせて下さい。
A:本当に応援して下さったサポーターの方には
ハラハラさせるシーズンになってしまいましたけど
残り2戦もしっかり勝ち、勝ちで終われるように
とりあえず残留を決めたことは今日だけホッとして
次に繋げたいと思います。
Q:ようやく肩の荷が降りたような形だと思いますが
改めて残り2戦はどんなゲームを見せてくれますか?
A:ホームでなかなか勝てていないので
次の仙台戦はしっかりホームで勝って
ホーム最終戦を迎えたいと思いますし、天皇杯もありますので
そこに繋がるようなゲームができたら良いと思います。
【林健太郎氏のレビュー】
(松本)
戦い方は悪くなかったと思います。
後半はしっかり高い位置までボールを運んで
セットプレーを取ることもできて、その流れから点も取れましたし
その後も相手のエリアで 時間を進めていましたから。
ただ、やっぱり1本のセットプレーでしたね。
こういう順位にいるからというのもあるんですけど
後ろに重心を置き過ぎなのかなと。
もちろん前からプレスも行くんですけど
そこから自分たちのゴール前まで運ばれてしまった時に
今日で言うと岩上と岩沼の所が守備ラインの所まで行ってしまうと
攻撃に繋がる所が少なくなってしまうのかなと。
それから後半の点を取るまで続けていた
サイドの裏のスペースを徹底して使うという所が
前半はなかなか見えてこなかったですよね。
後半はそうやってプレーする内にPKも取れましたし
その後も良い攻撃ができていましたし
これをもう徹底してやっていけば良いと思います。
ロングスローの時に時間を掛けて準備して
セットして投げるというのが何本かあった中で
岩上から田中隼磨にスローインをクイックリスタートですぐ行って
それに反応した安藤がPKを取りましたから
それまで時間を掛けてロングスローをしていたということが
布石にもなっていましたよね。
あれは目先を変えられて相手も守りづらいですし
対応も遅れると思います。あのあたりは巧かったですよね。
前節が終わった後に反町監督が"場数"という言葉を使っていましたが
前節と今節のようなこういう大事な試合で
自分たちの力を出せるかどうかというのが
"場数"ということなんでしょうね。
反町監督のインタビューをお聞きすると今日の試合に限らず
J2では通用していた部分がJ1では通用しないと。
そこをなかなか埋め切れなかったなという感じなんでしょうね。
最後はアウェイ2試合ですけど
アウェイとは言っても松本のサポーターは相当行きますから
選手にとって相当な力にはなると思います。
もう目指す所は1つしかないので
それに向かって全員でぶつかっていくだけですよね。
あとは自分たちのストロングの所をいかに出せるか、
相手が何をやられたら一番嫌かというのをきっちり整理して
そこをやり続けることですね。
それは今日の試合でも証明されたと思いますし
まだまだ取り返す試合は2試合ありますから。
(鳥栖)
豊田と鎌田が切り札としてベンチにいたということが
試合の勝敗を分けたのかなと思いますね。
誰が出てもそれに応じた色々な攻撃の仕方ができるようになるという中で
1点目もFKに競ったのは豊田でしたね。
結果的に2アシストですから。本当に強いですよ。
鎌田もパスを出すだけの選手ではないですよね。
2点目の崩しも本当に素晴らしかったです。
水沼は常にハードワークできますし
こういう試合を決める得点も決められますし
キャプテンマークを巻いているのも納得できますよね。
チームとしての狙いもハッキリ見えていたと思います。
前半はロングボールを使わずに
しっかりグループでサイドを崩してゴールまで運ぶと。
もちろんフィニッシュの所は水沼も言っていたように課題だと思いますが
そういうスタイルは明らかに見えていましたよね。
森下監督もホッとしているでしょうね。
久々の複数得点ということですし
取り組んできた形が実を結んだと。
監督もインタビューで非常に嬉しそうでしたね。
【Jリーグブログ的データ】
J1-2nd第15節
松本山雅FC 1-2 サガン鳥栖
入場者数:17,462人 天候:晴、中風
気温:21.8度 湿度:34%
主審:木村博之
副審:数原武志、間島宗一
第4の審判員:藤田和也
《得点者》
<松本>
65'オビナ⑥(PK)
<鳥栖>
77'谷口博之④(アシスト:豊田陽平)
87'水沼宏太⑦(アシスト:豊田陽平)
《選手寸評》
(松本)
GK村山智彦...2失点はどちらもノーチャンス。自身にやれることはやり切った印象
DF酒井隆介...守備面でも決死のクリアを含めて戦ったが2度の決定機を沈めていれば...
DF飯田真輝...気持ちを前面に押し出したが重要な局面ではすべて豊田に上回られた
DF喜山康平...体格差をものともしないヘディングは圧巻。懸命に仲間を鼓舞し続けたが...
MF田中隼磨...チームの決定機はほとんど彼のパスかクロスから。魂を感じさせる90分間
MF岩間雄大...セカンド奪取に奔走するも繋げる所はしっかり繋ぎたかった
MF安藤淳...殊勲のPK奪取はあったものの全体的に焦りが目立ちミスも多かった
MF岩沼俊介...慣れないポジションで奮闘もどうしても位置取りが下がってしまった
(→FW阿部吉朗...残念ながら彼の嗅覚を発揮する場面は訪れなかった)
MF岩上祐三...手でも足でもやや精度を欠く。守備に回る時間が長くリズムを掴み切れず
FWオビナ⑥...PKシーンでは冷静さが光ったが空中戦では珍しく劣勢に回った
(→FW塩沢勝吾...終盤には決定機を演出したがゴールの香りは薄かった)
FWウィリアン□...スピードの披露は守備面に限られた。イエローもあって45分で交替に
(→FW前田直輝...ファーストタッチが不安定で最後までゲームに乗り切れなかった)
(鳥栖)
GK林彰洋...ハイボール対応の安定感がチームに大きな勇気をもたらした
DF谷口博之④...守備ではオビナを封じ続けた上にスーペルゴラッソでチームに息を吹き返させた
DF丹羽竜平...PKは不運だったが対応自体は後手を踏んだ。それ以外は概ね無難なプレー
DFキム・ミンヒョク...やや熱くなる場面もあったがオビナにもウィリアンにもきっちり対応
MF吉田豊...ボールを回すスタイルの中で縦への推進力はアクセントになっていた
MF岡本知剛...難しい状況でのスタメンにもここ数試合の経験をピッチに還元した
(→MF藤田直之...短い時間でもきっちり繋げる技術と時間を消し去る狡猾さを打ち出した)
MF高橋義希...鳥栖の歴史を知る男の持ち味とも言うべき攻撃性が地上戦できっちり発揮された
MFキム・ミヌ...どのポジションでも100パーセント出し切るメンタルは尊敬に値する
FW早坂良太...前半のような戦い方なら彼の技術の高さが存分に生きる
(→MF鎌田大地...彼の投入から前線に時間が生まれた。2点目の起点として勝利に貢献)
FW池田圭...地上戦で崩しに関わる意欲は見せたが脅威にはなり切れなかった
(→FW豊田陽平□...完璧な2アシスト。当たり前だがやはり鳥栖にこの男は絶対欠かせない)
FW水沼宏太⑦...チームを残留に導く逆転ゴール。新生鳥栖を感じさせるプレーを見事に仕上げた
再放送スケジュールは
10月25日(日)午後1:00~午後4:00 J SPORTS 3
10月25日(日)午後10:30~深夜1:30 J SPORTS 3
10月30日(金)深夜1:15~深夜4:15 J SPORTS 3
となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!
土屋
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