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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2015年08月29日

天皇杯1回戦 大宮×栃木ウーヴァFC 試合後の栃木ウーヴァFC・前田和也監督コメント

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NACK5スタジアム大宮で行われた
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会1回戦の
大宮アルディージャ×栃木ウーヴァFCは4-0で大宮が勝ちました。
以下、試合後のミックスゾーンにおける
栃木ウーヴァFC・前田和也監督のコメントです。


(栃木ウーヴァFC・前田和也監督)
Q:ボールが回る時間も十分ありましたね。


A:1年間ずっと1月からやっていることだったので
回せるようにはなっているんですけど
あとはゴール前の所なんですよね。そこでの崩しとか。
ミスは絶対出るものですけど、ミスしてはいけない所で
ボールがちょっと長過ぎたりとか、付ける足を間違えたりとか、
ボールが浮いてしまって、結局シュートを打てないと。
攻め急いでしまうことが多いというか。
中央を突破していくのがサッカーは一番手っ取り早い攻撃ですけど
中央が無理な展開もあるし、サイドに展開してからなら
より良い判断ができる場面でも、そういう所を間違えちゃうんですよね。


Q:2点目を取られてからは2本良い崩しがありましたけど、
あれは普段から狙っている形ですか?


A:ああいう崩しが俺のやりたい崩しで、手数を掛けずにというか。
1本のパスで行ければいいですけど、それが無理だから2,3本のパスで
ポンポンと簡単に展開してというのが理想なので。
ただ、リーグ戦もあそこまで良い感じには行かないですけど
それに近い形というのは試合を重ねるごとに本数も多くなってきているので
あとはその質を上げるだけかなと思います
でも、今日はこのスタジアムの雰囲気とかグラウンドの良さとか
そういう所でポンポン回った所もあったと思いますけど
それができる選手がある程度揃っている中で
技術とかスキル以外のメンタル的な所でムラがあるので
良いプレーが常にできない所もありますね。
こういう雰囲気だからそういうモチベーションになりましたけど
自分たちから自発的にはまだそれを創れないかなと。
「やれば良いプレーはいっぱいできるのに」というのが、まだウチの弱い所ですね。


Q:その2本の決定機はFC東京時代の同僚でもあった
塩田選手に止められましたが、久々に見た彼のプレーはいかがでしたか?


A:ウォーミングアップからシオさんのことは見ていましたけど
キックも相変わらず綺麗だなと思いましたし
ああいうギリギリの局面でも迫力があるなとも思いましたし
「俺が知っているシオさんだな」でした(笑)
試合が終わった後に話しても「やっぱりシオさんだな」と(笑)
大宮の他の選手も当然必死に戦っていましたけど
どこかでウチとのレベルの差があったので気が抜けたプレーもありましたよね。
ましてやウチがなかなか攻められない中で
たまに来るああいうピンチの所もシオさんはしっかり防いでいましたから。
あの2本のウチのどちらかを決められていたら
シオさんの人生も変わってしまうかもしれませんし
良い方に転がるかどうかは紙一重の中で
「危機感を持ってやっているな」と思ったのはシオさんでしたよね。
同じ栃木出身の富山(貴光)を見ていても
「1本決めたからある程度良し」という部分もあるかもしれないですけど
こういうクラスだとトータルで見られますから
「たまたま決まっただけ」という評価もされがちですし
1本や2本のチャンスを決めなくてはいけないというゲームも
これからリーグ戦では増えていくはずなので
ウチだからあの1本を決めたことで済みましたけど、
もっと切羽詰った試合だったら決めたシュートよりは
外していた部分がもっとクローズアップされていたはずです。
俺らとしても富山には同郷としてまだまだ頑張って欲しいですからね。


Q、実際に監督としてJリーグのチームと対戦してみて
新たに思う所はありましたか?


A:本当に自分がプロの時も良く言われていたんですけど
周りのお客さんや他の人が見ていて目に見えない所、
例えばパスのスピードだったり付ける足だったり
そういう所で俺が教わってきた所の差は凄くありましたし
監督としてチームをリーグ戦で勝たせるための
戦術的な所というのをやっていくことももちろん大事ですけど
それを良い形として表現させるためには目に見えない部分、
パスのスピード、付ける足、タイミング、ファーストタッチの置き所とか
そういう根本的な所を疎かにしてはダメなんだなというのは
今日の試合で改めて気付きました。
そういうこともわかっていたつもりですけど
やっぱりどうしても戦術や崩しの所、守備の連係の所を
重視してしまっている部分がありますからね。
プロの、特に大宮なんてJ1にいなくてはいけないチームというのは
本当にそういう根本的な所ができているなと思います。
そういう細かい部分が4失点に繋がりますし
ウチだって良い崩しをしても最後のクロスがちょっと前過ぎたりとか
弱かったりという部分が差になっているのかなと。
だから、やっぱりそういうサッカーの"止める、蹴る"という部分を
クローズアップして伝えていかないと何もないなと。
それを表現するにも全ては基本的な所に詰まっているなと思いました。


Q:監督会見を見ていても初々しさと
「ちゃんと喋れているな」という印象がありましたが(笑)
監督業にも慣れてきましたか?


A:リーグ戦でもホームゲームの時は毎試合会見があるんですよ。
今年から監督になって、俺が喋りたいから「会見、やってもいいよ」と言って(笑)
会見をやるようにしてもらって、それで喋れるようにもなりましたし
やっぱりウチみたいにメディアがなかなか関わりを持ちにくいチームというのは
ああいう場でしか自分の言葉を伝えるタイミングがないので
意識して喋らなくてはいけないと思いますし。
本当はもっと喋りたいんですけどね(笑)


Q:カッコ良かったですよ(笑)
「立派だった」と言ったら失礼ですけど立派でした(笑)


A:俺自身がプロで教わった監督は原(博実)さんと
ガーロと樋口(靖洋)さんの3人しかいなかった中で
その人たちの良い所を取り入れつつやっていましたけど
最初の頃はそういう人たちの良い所ばっかりを真似しようとして
うまく回らなかった部分もありました。
でも、リーグ戦も8連敗から始まったので自分自身を見つめ直して
ちょっと「猫を被っているな」「自分らしさがないな」というのを
単純に考えた時に、自分が気取っている部分があったんですよね。
選手とも一線を引いて完全に"監督と選手"という関わりを持とうと思ったんですけど
元々俺ってそういうのがない人間だったので(笑)
「らしくないな」と思った時に、「一線は引くけど選手と喋るようにしよう」と
考え直したことでチームも良い方向へ向くようになってきましたし
自分の伝えたいことというのも素直に出さなきゃ選手にも伝わらないですし
「自分自身を変えなきゃな」ということを単純に思ったので
「俺は人と喋ることが大事だな」と思って、「らしさを出していこう」と。
ちょっと最初は気取っちゃってました(笑)
でも、みんなもそうやって俺が素直になったり表現したり
情熱を持ってやれば勝手にこっちを向いてくれますし
俺が言うことも聞き入れてくれますし、彼らからも意見が来るようになったので
それが年齢の近い監督の特権かなとも思いました。
スタッフもウチは人数がかなり少ない中で
やっていかなくてはいけないことがたくさんあるんですけど
選手たちもクラブの状況を理解して、そういう所も積極的にやってくれますし
選手から見たら監督っぽい監督ではないと思いますけど
それでもお互いに一線を引く所は自然とできてきたんですよね。
今シーズンはとりあえずJFL残留を目指さなくてはいけないですけど
残留が決まってある程度選手たちが残ってくれれば
来年はもっと良いサッカーができると思いますし
"良いサッカー"だけで終わらないチーム、
しっかり勝ち切れるチームになれるのかなというのは
ここまでやってきた中で手応えはあるので
今までは「上に行きたい」とか目標が定まらなかった部分もありましたが
とにかく今は残留という目標がハッキリしたので
選手たちもそこはよくわかって取り組んでくれていますし
今日の試合も正直「もっとやられるかな」と思いましたけど
いつもの3倍くらいのパフォーマンスを出してくれたんですよ。
選手たちも気持ちの部分や意識の部分は変わってきているので
あとは細かい技術的な部分に選手たちがどれだけこだわれるか、
俺がどれだけこだわらせられるかという部分に懸かっていると思いますし
サッカーは結局"止める、蹴る"がしっかりしていないと
応用も効かないですし、オリジナリティも出て来ないので
もっとウチは基本的な所を大事にしていこうと思います。


Q:監督業は楽しめていますか?


A:8連敗の時も含めて、監督という職業に就いてから
「監督辞めたいな」とか「監督つまんねーな」と思ったことは1回もなくて
毎日が楽しくて、毎日が新鮮で、選手からも学ぶこともありますし
日々反省と改善と達成感の繰り返しなので
気持ち的には選手の時以上に充実しているかもしれないです。


Q:それが地元の愛するクラブでできているなんて幸せですね。


A:幸せですよ。現役引退の試合の時もそう思いましたけど
「俺はやっぱりサッカーなんだな」と思いましたね(笑)
「ああ、サッカーしかないな」と。
引退した後も実は1回「サッカーから離れよう」と
思ったんですけど無理でしたね(笑)
今までずっとサッカー、サッカーで生きてき過ぎたので
「周りのことをもっと見よう」なんて考えて
サッカーから離れようと思ったんですけど、無理でした。
戻って来ちゃいました(笑)


Q:きっと前田監督のことを気にしている方も多いと思うので
まずはモンテディオサポーターへメッセージを戴けますか?


A:モンテディオは今リーグ戦が厳しい状況だと思いますが
やっぱりここからもう1回這い上がる力はあると思いますし
自分としても自分がいたクラブにはJ1にいて欲しいですし
何試合か見ていますけど、山形のスタジアムの雰囲気も
周りに山があって、都会にはない素晴らしい空気を出しているので
ああいう雰囲気をJ1に残していって欲しいですし
自分も1年半でしたけどお世話になって思い入れも凄くあるので
何とかJ1に残ってもらいたいと思います。
そして、いつかウチのクラブも同じカテゴリーに追い付けるように頑張るので
お互い一緒に頑張りましょう!


Q:FC東京のサポーターにもメッセージをお願いします。


A:FC東京に関しては4年半在籍して
自分としては今は純粋にFC東京の大ファンです!
毎試合気にしていますし、たまに小平のグランドに練習も見に行っていますし
やっぱり特に思い入れの強いクラブなので
早くJ1のリーグ戦で優勝して下さい。
ナビスコカップと天皇杯は獲っていますけど
やっぱりリーグ戦を獲ってこそ本物の強豪クラブですし
日本の首都として誇れるチームになると思うので
本当に早くリーグ戦で優勝して下さい!以上です!


以上になります。


土屋

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