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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
FUJI XEROX SUPER CUP 2013 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜×日本高校サッカー選抜@国立
mas o menos2月の恒例行事として確実に定着しつつある高校生の祭典。ゼロックスの前座的な位置付けとして開催されるのは、U-18Jリーグ選抜と日本高校サッカー選抜が激突するNEXT GENERATION MATCHです。
雪での決勝順延やフレッシュなファイナルの対戦カードなど、例年以上に様々なトピックスに彩られた第91回高校選手権。その大会優秀選手に地区予選で涙を呑んだ有力選手を加え、まさに文字通り最強の陣容を揃えた日本高校サッカー選抜。ダブル得点王と猛威を奮った仙頭啓矢(3年)と小屋松知哉(2年)の京都橘2トップや、桐光学園の攻守を支えた諸石健太(3年)と松井修平(3年)、さらに作陽のスピードスター平岡翼(2年)など、個性的な顔触れで初のJリーグ選抜撃破を狙います。
一方、1、2年生のみの編成となるのがJクラブユースの選手で構成されたU-18Jリーグ選抜ですが、こちらも将来のクラブを背負う可能性の高い逸材揃い。クラ選優勝に大きく貢献した柏レイソルU-18の守護神・伊藤俊祐(2年)や唯一の2年連続出場となる東京ヴェルディユースのCB畠中槙之輔(2年)が守備陣を引き締めれば、 Jユースカップ優勝にも貢献したコンサドーレ札幌U-18の國分将(2年)と今シーズン中のトップ出場も期待されている東京ヴェルディユースの菅嶋弘希(2年)が前線に登場。意地と意地のぶつかり合いは、高校選抜のキックオフで国立の芝へボールが転がり出しました。
お互いやや慎重に入った立ち上がりを経て、先にシュートを放ったのはJリーグ選抜。10分、汰木康也(2年・横浜F・マリノスユース)が左へ展開すると、内田裕斗(2年・ガンバ大阪ユース)が正確なクロス。ファーの宮本航汰(1年・清水エスパルスユ-ス)がダイレクトボレーで叩き、高校選抜GK置田竣也(3年・星稜)がキャッチしましたが、綺麗な形でフィニッシュまで持ち込みます。
14分には高校選抜も松井の正確なフィードから、超攻撃的左SBの高橋壮也(2年・立正大淞南)がオーバーラップからクロス。ここはDFにクリアされましたが、17分には鳥栖入団が内定している平秀斗(3年・佐賀東)のパスから、最後は松井がクロスバーの上へ外れるミドルでチームファーストシュート。さらに20分も高校選抜。平が独力でエリア内へ侵入すると、こぼれを浅野拓磨(3年・四日市中央工業・広島内定)が左足で狙い、ここも枠の上へ外れましたが、松井を中心にした早めにサイドの裏へ配球する狙いから、少しずつ掴んだリズム。
ただ、20分過ぎからは「個々のアベレージが非常に高い」(高校選抜・野村雅之監督)Jリーグ選抜が攻勢に。そのスイッチはとにかく持てば仕掛けてを繰り返した左SBの内田。時折無謀とも思えるドリブルにもチャレンジするなど、持ち味を存分に発揮。そこから23分、25分とCKを獲得してみせ、チームに推進力を与える役割を担っていきます。
30分に魅せたのは"四中工コンビ"。左サイドを浅野が切り裂いて右へ。走り込んだ田村翔太(3年・四日市中央工業・湘南内定)のシュートはわずかにクロスバーの上へと逸れたものの、今回の選手権ではなかなか出し切れなかった2人のコンビネーションで惜しいシーンを創出してみせました。
Jリーグ選抜に訪れたチャンスは32分。ゴール右寄り、約30mの距離で得たFK。2人がボールに近付き、蹴ったのは内田。鋭い軌道はほんの少し枠を越えましたが、相変わらずの積極性を披露。33分も高校選抜。右から中野雅臣(1年・東京ヴェルディユース)がクロスを送り、汰木を経由して、最後は國分の放ったシュートも枠の上へ。前半の35分間はスコアレスで終了しました。
後半はスタートから両チームに交替が。Jリーグ選抜はGKも含めて一気に3枚替え。高校選抜はボランチに入っていた植田裕史(3年・星稜)を下げて、右SHへ平岡を投入。松井がボランチへ、田村が右から左へそれぞれスライドして、残り35分に臨みます。
先に主導権を握ったのは高校選抜。特に平岡は期待通りのドリブルを何度も試みると、45分には右サイドを1人でぶち抜いてシュート。飛び出したGK高木和徹(2年・清水エスパルスユース)が何とかストップしたものの、45分にもチャンス。野路貴之(3年。桐光学園)が繋ぎ、田村は1人外してシュートもDFがブロック。跳ね返りを再度狙った田村のボレーは枠を捉え切れずも、「飛び道具のスピードを生かした攻撃」(野村監督)がゴールへの予感を醸成していきます。
46分にはJリーグ選抜が今度は2枚替えを敢行すると、そこから傾き出した流れ。47分に投入されたばかりの小川直毅(2年・ガンバ大阪ユース)が思い切ったシュートをゴール右へ放ち、その後も連続してチャンス到来。49分には後半開始時からピッチに入った嶋田慎太郎(2年・ロアッソ熊本ユース)が内田のパスを受け、1人外しながら右足で枠越えのフィニッシュまで。50分にもドリブルでスルスル持ち上がると、エリアの少し外から枠内シュート。先制とはいかないものの、九州のJクラブユースからは唯一参戦したレフティが存在感を発揮します。
56分の決定機はJリーグ選抜。3分前に投入されたばかりの北川航也(1年・清水エスパルスユース)が、エリアの中を果敢にドリブルで突き進み、シュートまで。しかし、ここも置田にファインセーブで回避されてスコアは動かず。「後半はたくさんチャンスを創ることができた」と四方田修平監督。ゲームは残り10分間の勝負に。
お互いに1枚ずつ交替カードを切ると、とうとうピッチ上には仙頭と小屋松の両雄が並び立ち、63分には小屋松がいきなり2度のシュートチャンスに絡むなど、選手権の日々を思い出すようなアグレッシブさが、チームへパワーを与えていきます。「少し前掛かりになって、カウンターを受けた」(四方田監督)Jリーグ選抜を尻目に、66分にも高校選抜が好機創出。平岡を起点に仙頭はうまいタイミングで中へ。受けた野路はフリーでシュートを放ちにいくも、よく戻った内田が決死のブロックで失点は許さず。
68分も高校選抜。高橋の左クロスを、ニアで合わせた野路のヘディングは枠の左へ。69分も高校選抜。平岡を回ったSBの室屋成(3年・青森山田)がクロスを上げると、DFに当たったボールをバックヘッドで狙った野路のシュートは高木和がしっかりキャッチ。スコアレスのまま、ゲームはアディショナルタイムへ。
70+1分、左から流れたボールを小川が拾って再びクロス。ニアへ飛び込んだ鴨池陽希(2年・FC東京U-18)のヘディングは惜しくも枠を捉え切れず、それから4分ほど経過して鳴り響いたホイッスル。「引き分けなのは少し残念」と畠中。ゴールは最後まで生まれず、0-0でタイムアップを迎える結果となりました。
Jリーグ選抜は対戦相手の浅野が「パスやドリブルの能力が高く、『Jリーグのユースだなあ』と思いました」と話した通り、年代別代表で顔を合わせている選手もいるとはいえ、即席チームとは思えないスムーズな連携を見せるシーンもあり、個としても組織としても非常に面白いチームでした。2年生にとってはトップチームへの昇格が懸かってくる大事な1年。是非今日国立のピッチに立った選手の中から、1人でも多くのJリーガーが誕生することを願っています。
高校選抜は置田や諸石を中心に、守備陣の安定感が非常に高かったのは間違いありません。現状を聞かれて、「縦へのスピードに乗ると怖い選手はいるが、今日も回数を多く出せなかったし、まだ精度が低いと思っている。そこの改善を重点的にやっていきたいと思う」と答えた野村監督。面白いタイプのアタッカーが顔を揃えているだけに、残り1ヶ月あまりで課題に挙がった精度を高め、3月下旬から参戦するデュッセルドルフ国際ユースサッカー大会では、"世界"を驚かせて来てくれることを期待したいですね。 土屋
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