本日、開催が予定されていました
第91回全国高校サッカー選手権大会決勝戦、
鵬翔高校（宮崎県）対京都橘高校（京都府）は
中止、順延が決定されました。
以下、本日の記者会見要旨および監督・選手コメントを掲載いたします。

【公益財団法人　全国高等学校体育連盟
サッカー専門部長　横田智雄氏の記者会見要旨】

こんにちは。
全国高体連サッカー専門部の部長を仰せつかっております横田智雄です。
発表させていただきます。
1月14日月曜日、祝日、東京・国立競技場で開催予定をしておりました
「第91回全国高等学校サッカー選手権大会決勝戦」は、
主催者で協議の結果、12時に悪天候により中止が決定されました。
なお、本大会決勝戦は順延することで決定いたしましたので、
詳細に関しては下記をご参照下さい。

日時：1月19日土曜日、12時05分キックオフ予定、
場所：国立競技場
対戦：鵬翔高等学校（宮崎県）対 京都橘高等学校（京都府）
でございます。
（以下、質疑応答）

Q、（19日に行われる）センター試験に関しては、
どのように考慮されているか？

A、センター試験ですけれども、
実際に両校にセンター試験の受験者を確認したところ、
いないという回答がございました。
応援団ですとか学校の中にはいるかと思うのですが、
実際に試合をする両チームには、
センター試験に関わる選手がいないということでしたから、
私としてもこれは（影響がない）ということで判断いたしました。

Q、実際に試合の開催自体が困難だったのか、
公共交通機関に配慮されたのか？
また、過去にこのように悪天候で決勝戦が延期された大会はあるか？

A、時系列を簡単に説明させていただきます。
本日10時30分、日本サッカー協会、日本テレビ、高体連と
主催者でミーティングを行いました。
最初は雪混じりの雨だったものですから、実施の方向で判断をいたしました。
その後、急激な天候の悪化を確認いたしまして、
11時、再度三者において集まり、
本日の試合開催に関しては中止の方向で検討いたしました。
11時30分にさらに集合いたしまして、
主催者にて本日の中止を決定いたしました。
順延に関しては調整をし、先ほどお話をした通りになりました。
なお、過去に関しては悪天候による（決勝の）順延はありません。
昭和天皇の崩御に際しまして、順延が行われましたが、
悪天候による順延というのは今大会が初めてでございます。
　

Q、関係者の間では両校優勝という話も出ていたが、
それに関してはもう1試合させてあげたいという判断があったのか？

A、やはり、高校生の"選手権大会"というのは
特別な大会であると判断いたしまして、
国立競技場に問い合わせましたところ、
センター試験に関わるとはいえ、
（19日は）空いているという答えをいただきましたので、
決勝戦を行わせるという形で考えました。

Q、雪の中で決勝を行った事例は東福岡対帝京や、
あるいは高校サッカー以外でも、2009年J1の山形対名古屋もあったが、
そういった試合と今日の中止はどこに判断の差を付けたのか？

A、東福岡と帝京の決勝はちょうど15年前でして、
私も雪かきでその場におりました。
確かあの時は12時前後から雪が降り出しまして、
みるみるうちに大きくなったというところでした。
しかし、今日は10時半の段階で雪が降り始め、
11時の段階では雪が積もり出して、
補助役員および先生方で雪かきも行ったのですが、
12時、つまり順延を決定する段階で、まだ2時間この雪が降るのかと。
あの東福岡対帝京の試合よりも約2時間雪の降りが早かったものですから、
これは生徒がこの天候の中で、90分間サッカーをやる状況ではないし、
準決勝までしっかりやってきたチームのためにも、
この中で決勝戦を行わせるというのは
無理ではないかという判断をいたしました。

Q、数日前から雪が降るのではないかと言われていたが、
昨日の段階で中止に向けた話し合いはされていたのか？

A、昨日は駒沢競技場に日本テレビさんも我々も行っておりまして、
今日のこの状況については色々と話はしておりました。
最終的には9時の段階でまずは集まり、
その後、雪あるいは雨の状況を見て、
適宜判断していこうということは確認をいたしております。
ただ、最初は雪混じりの雨で、まずはやる方向で考えておりましたので、
みるみるうちにあれだけ降ってというところまで、
昨日の段階では判断できませんでした。
今はインターネット等で天候の状況も確認はできましたが、
やはりやらせていきたいという方向は持っていましたので、
昨日の段階で中止ということについての認識は、
適宜本日決定しようということだけ確認いたしました。

以下、監督および選手のコメントです。
【鵬翔・松﨑博美監督】
（試合前の状況に関して）
「主催者に任せます」ということと、
「僕らの予定としては新人戦もあります」とお話しました。
日程的なこともありますし、
応援もしくは保護者の方の経済的な問題もありますし、
新人戦も控えていますから、試合はやりたいですけど、
色々と複雑な返事しかできませんでした。
もう決定しましたので、それに合わせて"振り出し"ということで
またしっかりと準備したいと思います。
応援の方にはセンター試験を受ける選手もいますが、
ベンチ入りメンバーにはいません。

（新人戦について）
宮崎に帰ったら通常通りに学校が始まりますし、
それから新人戦が今週の土曜日から始まりますので、
1、2年生は新人戦のことも気になるという、非常に複雑な心境ですね。
大会は19日から始まりますけど、ウチはシード権があるので20日から戦います。
当然1、2年生で試合に出ている選手は（新チームでも）主力ですし、
その子たちを使わないで勝てるような世界ではないので、
新人戦も全力で戦わないといけません。
実際、新人戦でベスト4に入らないとインターハイのシード権がもらえませんから。
それを逃すと1年間の戦い方が狂ってきますので。

（1週間の準備について）
予定通り明日帰ります。
中濱（健太・3年・ディアブロッサ高田FC U-15）のケガはほぼ回復していますので、
トレーニングができるのはプラスになると思います。
ただ、雰囲気作りは難しいですね。
この前も"魔の1週間"という言葉を使いましたが、
またちょっと大変な1週間になるんじゃないかなと心配しています。
とはいえ、もう決まった以上はそれに合わせるしかないので、
調整や準備をしていこうかと。
東京に戻ってくるのは試合前日になると思います。
決勝に向けてはいつもと一緒で、そんなに特に変わったことはないですね。
当たり前のことを当たり前にやるしかないです。

【鵬翔・DF矢野大樹キャプテン（3年・セントラルFC宮崎）】
今日は相手の裏を取って点を取るイメージはありました。
これまでに雪の積もった中で試合をやったことはなかったですが、
雪でもやってみたいと思っていました。
今日の試合が中止になるのは仕方ないなと思った部分もあります。
ただ、両校優勝の可能性も出てきたと聞いたので、
それだけはチーム全体としても嫌だなあとみんなで話していました。
順延になった事は嬉しく思います。
日が空いてしまうのはしょうがないので、この1週間で疲労回復と、
相手の研究をして緊張感を持って決勝まで取り組みたいです。
大事な試合が土曜日に控えていることをみんなちゃんと理解していると思うので、
いつも通りしっかりと気を引き締めて、体調管理に気を付けながら、
普段どおりに生活していけたら大丈夫だと思います。
今日応援に来てくれた人の中にも、
19日の決勝戦はセンター試験で来れない人もいるので、
その人たちの分も頑張って、宮崎県に優勝旗を持って帰りたいと思います。

【鵬翔・FW澤中拓也（3年・摂津第三中）】
監督からは、試合前には今日が中止になるのか、
試合をするのかということしか聞いていませんでした。
こういう雪の状況もあれば雨の状況もあるので、
試合に備えてとにかく試合に集中しろという話はありました。
スタメンは決まっていて、いつもと変わらないメンバーでした。
どっちが1位か2位かはっきりさせたいので、両校優勝になるのは嫌でしたね。
今日できなかったのは残念ですけど、
来週は今日より良いグラウンドでできるのでそれはいいかなと思います。
最初はみんなも今日できないことで落ち込んではいましたけど、
来週できるのでまた良い準備をしようと話しました。
決勝までは5日間あるので、調整して、もう一回体を作ってきたいと思います。
良い準備をしてベストなコンディションで臨めるようにしたいです。

【鵬翔・MF小原裕哉（2年・都城西中）】
都城はこんな大雪は降らないですね。
この中でサッカーをやるのかと思っていました(笑)
白黒付けたかったですし、凄く残念ですけど、
また3年生と試合ができるという気持ちもありますし、
今週の土曜日に試合があるので気持ちを切らさずに、
決勝へ向けてコンディション作りに励んで行きたいです。
（雪の中でやっていたら）がむしゃらにやるしかなかったですし、
初めての経験になるので、蹴ってみないと分からないですが、
ボールが重たくなってなかなか飛ばないと思うので、
その時に応じて試合をしていたと思います。
京都橘は2トップが強力なので、そこは注意してやろうと思っていました。
自分たちは、立正大淞南と星稜の2トップも抑えてこれたので、
そこは自信に繋げられています。
延期になったことでエースの中濱君のケガが治ったりするので、
それはチームにとってはプラスですし、
監督にも言われましたが、ちやほやされずに自己管理をしてコンディションを整え、
またここ(国立)に来て良い結果を残せたらいいなと思います。

【鵬翔・北村知也（1年・セントラルFC宮崎）】
1週間空くのでモチベーションが切れないように集中していきたいです。
分析は自分的にはそんなにしていないんですけど、
チームとしてやる時に相手ディフェンスがどういう選手なのかとか
特徴は考えるようにしています。
決勝は観客の方に見てもらうというよりは、
自分自身が今どのくらいのレベルなのかというのを
確かめられるかなと思っています。
相手の1年生と対戦できるのは楽しみですし、
CBの林選手には同期なので負けないように頑張りたいと思います。

【京都橘・米澤一成監督】
（試合前の状況に関して）
「延期か、両校優勝かどちらがいいですか」と呼ばれて相談された時に、
「僕らで答えられないです」というのは松﨑先生も自分も同じ答えでした。
「決定に従います」というように言ったので、
両校優勝ならそれはそれで仕方ないかなとは思っていました。
選手たちはやりたがっていましたが、
色々な大人の問題とか金銭的な問題とかあるので、僕らでは判断しかねるなと。
やるという結果になったということについては受け入れたいなと思います。
京都の協会の方もそうですし、学校の先生や色々な方に今日も来ていただいていたので、
それをもう1回帰ってもらって、また来てもらってというのは本当に心苦しかったです。
今、校長と話をしたんですけど、もう一度応援体勢を組むと言っていただけたので、
そのことについては単純に嬉しく思っていますが、申し訳ないなと思っていました。

（順延のメリットとデメリットについて）
まずプラスに働くことは、試合ができるということと、
怪我とか体調不良の選手がウチにはいたので、
そういう意味では回復期間になるなとは思っています。
デメリットは期間が延びるという嬉しい部分もあるんですけど、
生徒らの授業が心配な部分と、センター試験もあるということで、
（試験を）受ける生徒のことも気になりますので、そういう部分はあるかなと。
あと、ウチの学校は中学校もあって中学入試もあるので、
中学入試の業務であったりすることがデメリットなのかなと思っています。

（1週間の準備について）
試合はやるやろうなと思っていたので、
1週間どう過ごすかの方に頭が行っていました。
学校と話していたのは、応援体勢でまたお金がかかってしまうなとか、
そういうこととかが気になったくらいで、
あとは（サッカー面で）やることに関しては変わらないので、
今日やるよりはいい条件でやらせてもらえることについては嬉しく思っています。
京都には一応帰らない予定でいます。そこは継続してやりたいなと。
帰ってもこっちを出るのは明日になってしまって、
中1日ぐらいはまた移動しなくてはいけません。
"校欠"という形でもう残って良いと（学校側に）言っていただけたので、
こちらで調整ができるという風に捉えています。
その質や内容については考えたいなと。
選手のケガの状況とか、体調不良者の状況とかも少し見ながら、
どこまでやれるかというのを考えたいです。
変わらずに今日もいい準備をしてきましたし、
やれることのすべてをやってきましたので、
また19日に同じような形で臨めたらなと思っています。

【京都橘・DF高林幹キャプテン（3年・京都サンガU-15）】
まだみんなと長くサッカーができることに感謝したいですし、
学校のこととかもありますが、ケガの選手もいるので、
今までやってきた通り、自分たちの実力を出せるように調整して、
鵬翔をリスペクトしながらいい試合を見せられるよう、
19日に勝利を目指して頑張りたいと思います。

【京都橘・FW仙頭啓矢（3年・FCグリーンウェーブU-15）】
天候が悪いとは聞いていましたが、こんなに雪が降るとは思っていなかったです。
雪の試合に向けた対策はそこまでしていませんでした。
両校優勝か延期になるか分からない状況でしたが、
延期になって欲しいと皆で思っていました。
やる気はもの凄いありましたし、今日試合ができれば一番良かったですが、
やっぱり雪だとボールも動かなくなってきたりするので、
決勝は自分たちの力を出す為にも、良いピッチ状態でやりたい気持ちはありました。
負傷を抱えている選手も何人かいますし、
今日は中止になりましたけど、決勝はしっかり用意されているので、
それに向けてしっかり体のメンテナンスを整えて行きたいですね。
実際、今日に合わせてきたところもありますが、
逆に注目されるというのもあるので、そういう面でプラスに捉えて、
自分たちのモチベーションを上げて行きたいと思います。

【京都橘・FW小屋松知哉（2年・宇治FC JY）】
アップも何もしていない状態で、検討中という話は聞いていたので、
待機していて、監督から延期という報告があった感じです。
両校優勝は絶対にイヤだというのはチーム全体の話としてあったので、
そうならずに勝負で決着を付けるというのは
みんなモチベーションも上がりましたし、良かったという話はしました。
せっかく遠い中応援も来てくれていて、
応援団も多かったので今日やりたかったんですけど、
このピッチではあまりボールも動かせずに
蹴るサッカーになってしまったりするかなと不安でしたし、
いい状態で僕らもやりたいので、それはお詫びというか、
次は来られない人のためにも、勝利で恩返しできたらいいなと思っています。
雪の中では小学校の時に1回やったことはあるんですけど、
ホンマにヒドかったですね（笑）
サッカーやっているのかやっていないのかという感じだったので、
延期は嬉しかったです。
この1週間は、気持ちの上げ方と体調の管理とか、
体の動き具合とか、しっかり調整することが大事だと思っています。
1週間空いて、もう1回足の状態をいい状態に持っていけるのは
自分としては嬉しいです。
今はみんなの疲労とかも結構前の試合であったりして、
ケガ持ちもいたりするので、できるだけベストの状態に持っていって、
決勝ではいい試合ができたらいいなと思います。

【京都橘・GK永井建成（2年・京都FC長岡京）】
ピッチにはちょっと出ましたけど、「これはムリかな」と思いました。
こんな雪の中で試合したことは今までないです。
今日のことに関してはしょうがないと思いますし、
1週間試合が延びたので、前の方の選手たちには
しっかりケガを治して欲しいですね。
今日の国立で決着を付けたかったですけど、
反面、3年生ともう1週間やれるのは嬉しい部分もあります。
大会が終わるまでは気を抜かずにいないとダメだと思うので、
今週の土曜日に向けて、ちゃんと調整していきたいです。
（先日の春高バレーで敗退した）バレー部の先輩からも連絡が来て、
「絶対日本一になってな」とも言われていますし、
日本一になるのは"橘"やって気持ちもあるので、
バレー部のためにも、橘高校のためにも
しっかり土曜日に決着を付けて、日本一になりたいと思います。

この1週間それぞれ素晴らしい準備をして、
両校がピッチも含めた最高の状態で
決勝に臨めることを祈っています。

土屋、矢野