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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
勝手にやってる2011年私的ベストゲーム。
今日は現場観戦編のベスト5をお届けしたいと思います。
第5位:8月14日 J1第21節@レベスタ
アビスパ福岡 2×1 川崎フロンターレ
これはJ SPORTSの中継で行ったゲームです。
開幕からの不振を受けて、篠田善之監督を解任した福岡。
後任となった浅野哲也新監督にとって、
初めてレベスタで指揮を執る大事なゲームでした。
個人的にも、私が会社に入社した1年目から解説者として
お世話になっていた浅野さんのホーム初陣を中継できるなんて、
不思議な縁があるなあと思いながら、放送席に向かったのを覚えています。
ゲームは25分に小林悠のゴールで川崎が先制するも、
69分に城後寿の同点弾で福岡が追い付き、
最後は再び城後が85分に決勝点を挙げて、福岡が逆転勝ちという凄い展開に。
レベスタはとんでもない雰囲気に包まれました。
見事ホームで劇的な勝利を収めた浅野さんが
本当に浅野さんらしく丁寧にインタビューへ応えていたのも印象的でしたが、
インタビュアーをお願いした森田みきさんが
とにかく嬉しそうだったのが、それ以上に強く印象に残っています。
第4位:10月23日 JFL後期第12節@野津田
町田ゼルビア 2×1 SAGAWA SHIGA FC
2010年は縁あって、かなり試合を取材していたゼルビア。
ただ、昨年はなかなかタイミングが合わず、
10月8日にFoot!のロケも兼ねて、
小瀬で開催された甲府との天皇杯に行ったのが最初の試合取材でした。
その後、改装されてから初めて野津田を訪れたのがこのゲーム。
まず、非常にきれいな記者席が設置されていたことに驚いたのを覚えています。
2位に勝ち点4差を付けて首位を快走していた
SAGAWA SHIGA FCをホームに迎えてのゲームは、
いきなり27秒に酒井良が先制ゴール。
ところが、終了間際の89分にまさかの同点ゴールを献上。
実はゼルビアは前期の対戦でも3点のリードを残り10分で追いつかれており、
「正直、またかと思った」とキャプテンの津田和樹も振り返っています。
ただ、この日のゼルビアに神風が吹いたのはアディショナルタイムの94分。
鈴木崇文の綺麗なループが飛び出したGKの頭上を越えて、
ゆっくりとゴールに吸い込まれます。
チームとしての完成度はSAGAWA SHIGA FCの方が高かったかもしれません。
それでも、あの日の野津田には誰にも説明できないような"何かの力"が
確かに働いていたように、今から考えても思います。
それはきっと1年前に自らの力が及ばない所で悔しい思いをした、
ゼルビアを愛するすべての人たちが巻き起こした奇跡だったのではないでしょうか。
このゲームから1ヵ月半、ゼルビアは悲願のJリーグ昇格を果たすことになります。
第3位:11月13日 高校選手権群馬決勝@敷島
前橋育英 2×3(延長) 桐生第一
ある意味、群馬の高校サッカーにおける歴史が変わったゲームではないでしょうか。
前橋育英という存在は県内において、本当に絶対的なモノですから。
しかもゲーム展開も育英(※県内の人は"前育"ではなく、"育英"と呼びます)が
あっさり2点を先制。ハッキリ言って、楽勝ムードが漂っていました。
ところが、残り10分で育英に退場者が出ると、
70分、77分の連続ゴールで桐一が追い付き、延長で決勝ゴール。
個人的には育英があんな崩れ方をしてしまうなんて記憶になく、
それが何より衝撃的だったなあと。
また、今まで前橋商業以外にも選手権予選で育英を倒したチームはありましたが、
ゲーム展開を考えると、桐一は本当に歴史に残るような凄い勝ち方をしたと思います。
あと、注目を集めた鈴木武蔵も確かに目立っていたんですけど、
出色のパフォーマンスを披露したのは、決勝ゴールをマークした金田理央。
試合後そのヒーローに話を聞くと、育英にも中学時代のチームメイトがいたとのこと。
「こっちに来てよかったと思う」と笑顔を見せてくれました。
また、インターハイに初めて出場した2005年に
当時の"Foot!THURSDAY"でインタビューしたことのある小林勉総監督が、
「選手権で初めて育英に勝てたねえ」としみじみ語っていたのも思い出深いです。
そして、臨んだ本大会でもベスト8進出と大躍進。
群馬県のレベルの高さを改めて全国へ知らしめることになります。
第2位:11月20日 J1第32節@アウスタ
清水エスパルス 1×2 柏レイソル
64分、日本平に突風が吹いたんです。
直後、ジョルジ・ワグネルのFKがクロスバーに直撃。
そして私のお茶が入った紙コップも吹き飛ばされ、
記者席の机の上がビシャビシャになったんです。
その2分前に同点に追い付いていた柏に突如として吹いた追い風。
あの時、机の上を必死に拭きながら
「ひょっとすると柏に"風"が来てるかな」と
部分的にビショビショとなったズボンで思ったことを覚えています。
その後、柏が2回の決定機を逃して迎えた84分。
レアンドロ・ドミンゲスのヘディングがゴールに吸い込まれ、
ベンチの選手が一斉にレアンドロへ駆け寄り、
ゴール裏の黄色が沸騰した様子は今でもスローモーションのように
脳裏へ焼き付いています。
しかし、日本平はいつ行っても最高のスタジアムですね。
私が一番好きなのは、
選手がアップに出てきてから5分間くらい一切声を出さずに、
サンバのリズムに合わせてみんな手拍子を打っている時間帯。
アレは相当な凄みがありますし、あの一体感は"王国"ならではだと思います。
色々な要素が詰まった、忘れられない1日でした。
第1位:11月12日 高校選手権東京A決勝@西が丘
東久留米総合 2×2 PK5×4 関東第一
私が東京の高校サッカーを追い掛けるキッカケになったのは、
お世話になっている宮内聡さんが成立学園の監督をされていたからです。
最初は成立の試合を見に行くくらいだったのですが、
その内に対戦相手に色々な面白い高校が出てきて、
そういうチームの情報を得ようと思った時に、
こんな時代にもかかわらず、ネット上にほとんど情報がなかったんですね。
元々この年代はそこまで情報が多い訳ではないんですけど、
東京はFC東京U-18、東京ヴェルディユース、三菱養和ユースという
3つのクラブユースが頭1つか2つ抜け出していて、
高校勢は選手権で全国へ出たチームくらいしか脚光を浴びる機会がないんです。
なので、これは自分で足を運んで、自分の目で見るしかないなと思って、
色々な会場で色々なチームを取材している内に、
その多様性が本当に面白くなって、ハマってしまったのが正直な所です。
2011年もかなりの高校をチェックしていた中で、
個人的には東久留米総合と関東第一が双璧だなという印象を持っていたので、
このファイナルも相当面白くなるだろうなと思っていました。
ゲームは2点をリードされた関東第一が後半終了間際の79分から2点を奪って同点に。
さらに、交替枠を使い果たした東久留米総合は、GKの野中優志が負傷退場。
そこからフィールドプレーヤーがGKとしてゴールを守っていたのですが、
延長後半になって足を引きずりながら、再び野中がゴールマウスへ。
最後はPK戦での決着となったものの、
あまりに多くの要素が詰め込まれ過ぎていて、心から感動しました。
そして、本当にささやかなホームページではありますが、
今後も東京の高校サッカーを継続して追い掛けたいと
改めて思わせてくれるような最高のゲームでした。
他には
高校選手権決勝の久御山 3×5 滝川第二
インターハイ東京準決勝のかえつ有明 1×1 PK6×5 帝京
J2第18節の千葉 2×2 栃木
J1第5節の甲府 4×3 G大阪
T1リーグプリンス関東昇格決定戦の関東第一 4×2 帝京
ナビスコ決勝の浦和 0×1(延長) 鹿島
高校選手権東京A2回戦の修徳 1×1 PK13×12 成立学園
高校選手権東京B決勝の國學院久我山 3×2(延長) 早稲田実業
天皇杯準決勝の横浜FM 2×4(延長) 京都
が特に印象に残っています。
今年もスケジュールが許す限り、
ガンガン現場取材に行きたいですねえ。
土屋
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