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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
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その他の試合レポート 2011年10月15日

高円宮杯プリンス関東2部B第12節 柏U-18×桐生第一@日立台(人工芝)

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201110151550000[1]U-18.jpgユース界七不思議の上位にランクインするような、"柏はなぜかプリンスリーグに参入できない"というジンクスをようやく払拭し、初挑戦となった今年のプリンス関東2部Bでは、既に先週の時点で3試合を残して優勝を決めるなど、改めてその実力を示してみせた柏U-18。スケジュール上は消化試合になる今日のゲームも、「Jユースカップも日程がタイトだし、前日までハードなトレーニングを課して、その中でゲームをやってみたらどうなるかを試したい」と下平隆宏監督が話したように、明確なテーマを持って臨みます。
一方、日立台へ乗り込んできたのは、新興勢力ながら近年はインターハイで全国の舞台を経験するなど、着々と力を付けてきている群馬の桐生第一。先日アルビレックス新潟への入団が発表された、U-17ワールドカップ日本代表の鈴木武蔵(3年・FCおおた)はケガもあってベンチスタートでしたが、29日には難敵・共愛学園と激突する選手権の県予選ベスト16が控えているだけに、この世代屈指の強豪といい勝負を演じて自信を付けたい所です。
さて、桐生第一のキックオフで始まったゲームは、序盤から予想通り柏がポゼッションで圧倒。普段はCBで起用されている、こちらもU-17ワールドカップ日本代表の秋野央樹(2年・柏レイソルU-15)を1列上げて中盤に配し、彼と同じく中盤を務める小林祐介(2年・柏レイソルU-15)の2人が積極的にボールを引き出しながら、右へ左へ展開していきます。ただ、2分に秋野のパスを受けた木村裕(2年・柏レイソルU-15)のシュートも、21分に小林のパスから平久将土(2年・柏レイソルU-15)が放ったシュートも、共に相手のパスミスが起点。「ウチはしっかり繋いで崩すゴールと、高い位置で奪って素早く決めるゴールは半々くらい」とは指揮官ですが、後者こそ2つのシーンをフィニッシュへ結び付けたものの、前者のような形でゴールへ迫るシーンはなかなか出てきません。
どうやら計算違いの1つ目は、「ワイドのアタッカーが背後を取れなかった」(下平監督)こと。右ワイドの吉川修平(2年・柏レイソルU-15)と左ワイドの平久よりも、むしろセンターの木村が背後を取りに行くシーンが多く、ある程度ブロックを作って守る相手DFラインの中央には裏のスペースがない上に、クサビを受ける回数も少ないため、縦へのスイッチがなかなか入りません。結果、サイドの裏を使うシーンも単調な1本のパスが多くなり、ワイドの2枚が生きてきません。
また、2つ目は「秋野と小林でボールを回したことで、中川が生きなかった」(下平監督)こと。秋野は元々のホジションが前目だったこともあり、小林とのパス交換でポゼッションのリズムは生まれましたが、もう1人の中盤で攻撃力の高い中川寛斗(2年・柏レイソルU-15)へボールが入らず、秋野のスルーパスばかりが目立つ格好に。前半は前述の2本しかシュートを打てません。
一方の桐生第一は25分、外に開いた1トップの横堀勝也(3年・前橋ジュニア)が基点になり、フリーの吉森恭平(2年・ヴェルディSS小山)にはシュートコースが開けたものの、タイミングを逃すと素早く寄せられ、ボールロスト。拾った伊東一樹(3年・FC東京U-15深川)のシュートも、打った瞬間に柏DFがブロック。前半終了間際の45+1分には、磯部亮太(3年・ヴェルディSS小山)の右CKに横堀がフリーで合わせるも、ボールはクロスバーの上へ。おそらくボール支配率は柏が80%近かったはずですが、シュート数は共に2本ずつ。ゴールの香りに乏しい45分間はスコアレスで終了しました。
後半はスタートから双方に選手交替。柏は吉川を下げて篠原宏仁(3年・つくばFC)を3トップの左へ送り込み、左の平久が右にスライド。桐生第一は小林隆志(3年・前橋エコー)に替わり、池田稔樹(3年・図南群馬SC)がそのまま左SHへ入ります。すると柏に早速交替の効果。55分、小林のスルーパスから平久が右サイドを駆け上がってクロス。飛び込んだ篠原のシュートはGK正面を突きましたが、ワイドの2枚が絡んで決定機を創出。また、前半は目立たなかった中川のボールタッチも増え始め、柏に縦への怖さが出てきました。
ところが、ワンプレーで流れは急転。59分、左サイドでパスを受けた桐生第一のCB渋沢真矢(3年・前橋ジュニア)は突如としてミドルにチャレンジ。ボールはぐんぐん伸びてクロスバーに直撃します。すると、このシュートで勇気を得たか、アウェイチームが攻勢に。60分、磯部の右FKは柏GK吉川脩人(3年・柏レイソルU-15)がパンチングするもDFに当たり、金田理央(3年・前橋ジュニア)のボレーはヒットせず。
62分には下平監督が木村とケガの鈴木達也(3年・柏レイソルU-15)を下げて、白井永地(1年・柏レイソルU-15)と宮澤弘(1年・柏レイソルU-15)を同時投入するも、続く桐生第一の流れ。66分、金田の左CKがこぼれたボールを、伊東はボレーで狙うも枠の左へ。67分、左サイドを池田がえぐり、上げたクロスは吉川脩人がファンブルしながら何とかキャッチ。全体的にボールアプローチも速くなり、攻撃面では途中出場の池田が推進力となった桐生第一がゲームのペースを握ります。
68分には柏も御牧建吾(2年・柏レイソルU-15)のクリアを平久がヒールで繋ぎ、宮澤が放ったボレーはゴール左へ。チャンスを創りましたが、1分後には再び桐生第一に決定機。古沢友希(3年・茨城ウエストサイドSC)のスローインから、完全にDFの裏を取った横堀がゴールライン付近まで侵入して中へ。しかし、フリーだった吉森はシュートを打ち切れず、先制ゴールとはいきません。
こうなると再び到来するのは柏の時間帯。74分、平久のリターンを受けた中川は、再びリターン。「今日は右サイドの方がよかったかな」と下平監督も評した平久は2人のDFをかわし、シュートまで持ち込みましたが、桐一GK鯨井拓真(3年・クマガヤSC)の正面。さらに75分からの5分間には3本のCKを集めるなど、ラッシュを仕掛けます。そして86分にはビッグチャンス。4分前に投入された伊藤光輝(2年・柏レイソルU-15)のシュートは右スミギリギリへ向かいますが、ボールはゴールポストにヒット。先制点を奪えません。
90+5分には川島章示(2年・柏レイソルU-15)、宮澤と回り、右から走り込んだ白井のシュートも桐一DFがブロック。このCKを待たずして響いたタイムアップのホイッスル。「自分たちの力をちゃんと出さなきゃ勝てないという、いい薬になった」とは下平監督。1位と6位のゲームは、勝ち点1を分け合うスコアレスドローという結果になりました。
「やっぱり体が重かったですね」と指揮官が苦笑いしたように、柏はなかなか攻撃のテンポアップにギアが上がらなかった印象です。中盤で起用された秋野も「中川とうまく噛み合わなかった」(下平監督)こともあって、最後の30分はいつものCBへシフト。基本的にポゼッション率が高いため、ほとんどのゲームで直面する"引いた相手をどう崩すか"には、少し課題の残るゲームになりました。
実は先日、Foot!THURSDAYで柏のアカデミーを特集させて頂いた際に、私もロケに同行したのですが、ここのアカデミーは一味違います。全カテゴリーが吉田達磨強化部長の下、共通のコンセプトを持つことで、それぞれのカテゴリーを担当する指導者の指針も明確に。その浸透と実践がU-12の全国制覇、U-15とU-18の関東制覇という目覚ましい結果に繋がっているのは間違いありません。U-18は来週からスタートするJユースカップで、そしてU-15は12月に九州で行われる高円宮杯で、それぞれU-12に続く全国の頂点を狙います。今後も柏のアカデミーは要注目ですね。    土屋

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