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サッカー フットサル コラム 2024年5月21日

レアル・ソシエダの6位が確定。前半戦の久保は6ゴール3アシストの無双状態だったが・・・

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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ベンチから戦況を見つめる久保

ベンチから戦況を見つめる久保

先週末の第37節ですべてが決した。

優勝レアル・マドリーに続くバルセロナの2位が確定(スペインスーパーカップ出場権を獲得)、ジローナの3位が確定、アトレティコ・マドリーの4位が確定(以上CL出場権獲得)、アスレチック・ビルバオの5位が確定、レアル・ソシエダの6位が確定(以上EL出場権獲得)、ベティスの7位が確定(カンファレンスリーグ出場権獲得)、そしてアルメリア、グラナダに続く最後の降格枠はカディスで埋まった。中位勢の順位は入れ替わる可能性はあるが重要な順位はすべて決まったので、最終節は同日同時刻開催する必要がなくなった。

唯一、決まっていないのは得点王のタイトルだが、レアル・マドリー相手の驚異的な4ゴールでセルロート(ビジャレアル)が計23ゴールで首位に飛び出した(マーク役のミリトンのCL決勝先発もなくなった)。2位は1ゴールを追加した21ゴールのドブビク(ジローナ)。3位で19ゴールのベリンガム(レアル・マドリー)は「彼にとって得点王は重要ではない」と言うアンチェロッティのCL決勝を視野に入れたローテーションでこの日もベンチ。4位レバンドフスキは1ゴール追加も18ゴールなので、最終節セルロートとドブビクの一騎打ちとなる。

セルロートの4ゴールを見て、日本の久保建英、ソシエダファンはため息をついているだろう。

逃がした魚は大きかった。

昨夏熱心に残留工作をしなかったのはサディク、アンドレ・シルバがいればCFは十分だと考えたからで、私もそう思っていたが、加入前年19ゴール18アシストのサディクがわずか3ゴールの信じられない大不振で、ソシエダの得点不足は深刻だった。

サディクの今季を象徴するのは、あのコパ・デルレイ準決勝第1レグで久保の絶妙のアシストを空のゴールに2度決められなかったシーン。どちらか1つでも決めていれば、コパ・デルレイ決勝でアスレチック・ビルバオとのバスクダービー対決が実現していた。「コパで準々決勝まで行き、CL決勝トーナメントに進んでのEL出場権獲得は上出来」とのアルグアシル監督の発言はもっともなのだが、シーズンの後味も違ったことだろう。

ソシエダはCLに連続出場できるクラブではない。だから、久保には次のステップアップのステージが明確なわけだが、そのためには物足りないシーズンとなってしまった。

EL出場権を懸けたベティスとの直接対決は、敵地でリードを守り切る展開になったことで今季リーグ4度目の出場なし。開幕からマン・オブ・ザ・マッチを続け、前半戦で6ゴール3アシストの無双状態だったが、後半戦は1ゴール1アシストと急失速し、公式戦トータルで7得点5アシスト。先発濃厚の1試合を残しているものの、昨季の9ゴール9アシストを超えるのは実質的に不可能。大いに期待させるスタートだったものの、最後は尻すぼみで終わった。

ターニングポイントとなったのは2つの出来事。今年に入っての代表招集と、冬の移籍市場でのベッカーの加入だ。

ベッカーは1月の招集時にデビューしチームに溶け込み、3月の招集時にレギュラーを奪った。以前紹介した通り彼は得点力がありスピードと体を使ってセンターでもプレーできるウインガー兼CFで、加入後3ゴール2アシストを記録。来季ベッカーを数字で上回り定位置を奪回することでしか、久保のステップアップは見えてこない。

最後に、第37節で感動的だったシーンを1つ。

アスレティック・ビルバオを退団するムニアインとラウール・ガルシアの2人がホームでのお別れ試合で連続ゴールを決め、それをスタジアム全体が祝うことができたこと。地元生まれまたは育ちの選手だけのクラブとファンの間には他のクラブにはない特別な契りがある。試合中に珍しく大喜びしたバルベルデ監督は「最高の脚本だった」と振り返った。サッカーは筋書きのないドラマだが、サッカーの神様も時には粋な計らいをしてくれるのだ。

対照的に、残留決定後に無気力試合を続けるセビージャは相手のお祭りの引き立て役にまたもやなってしまった。降格した3チームはいずれもアンダルシア州勢で4番手のセビージャは1試合を残し13位、ベティスだけがなんとかサッカー王国の面目を保った。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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