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横河武蔵野は前半からボールを握って、サイドから崩していく。1対1の球際で上回り、セカンドボールを回収して攻撃を続ける。
横河武蔵野が所属するJFL(日本フットボールリーグ)は日本の4部リーグに当たるリーグだが、最近は著しくレベルが向上。実力が拮抗していて競争も激しいリーグであり、激しい試合も多い。そのあたりの「所属リーグの差」が如実に表れた試合だった。
横河武蔵野では、ツートップの一角の阿部拓馬が攻撃を引っ張った。かつて、東京ヴェルディやFC東京などで活躍した阿部は横河武蔵野FCの下部組織出身で、現在、横河武蔵野の監督を務めている石村俊浩氏の教え子だったのだという。
その阿部がフリーマン的にポジションを移して攻撃を組み立て、そして自らフィニッシュにも絡んでくる。19分に右サイドからのクロスを新関成弥とのコンビでつないで先制点を決めたのも阿部だった。
その後、横河武蔵野はなかなか2点目が取れなかったが、試合終了間際の89分にPKを決め、試合は横河武蔵野の順当勝ちで終わった。
南葛のプレーぶりを見ていると、「ちぐはぐさ」が目立った。1人の選手がボールを持った瞬間に、周囲の選手が同じ方向に動いてしまったり、足を止めてしまったりするのだ。本来ならサポートに寄る選手がいたり、前でボールを受けに来たり、スペースに走り出したりしてパスコースを作らなければいけないのに、そういった動きができない。
名将、風間監督のチームがどうしたことなのだろう?
しかし、実は風間監督だからこそ、こうした現象が起こってしまうとも考えられるのだ。
「ちぐはぐさ」を解消する手っ取り早い方法は決まり事の徹底だ。サイドはこう動き、トップはこうに動く。ボランチがこうやってサポートする……。そうした決まり事の通りに選手が動けば、とりあえずボールはスムースに展開する。
メンバーを固定して反復練習をして、試合を繰り返していけばコンビネーションはどんどんと上がる。
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