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ボランチに入ったのは、マリ戦でも終盤に登場して能力の高さを見せた藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)と、マリ戦では出場機会がなかった松木玖生(FC東京)の2人。
松木は、78分に交代で退くまで好守のつなぎとして素晴らしいプレーを続けた。
藤田がアンカーとして後方に構えているから、松木は攻撃にも積極的に絡めたし、逆に松木という戦術眼のあるMFが存在するから、藤田も後顧の憂いなく攻撃に出られる。
とくに松木は、前半15分くらいまでには相手の中盤の中心がシヘイロフであることをしっかりと見抜いて、絶えずシヘイロフを意識しながらプレーしていた。このへんの戦術眼は大したもの。地味なプレーではあったが、勝利の立役者は松木だった。
藤田と松木の呼吸もしっかりと合っていたし、セカンドトップの荒木遼太郎(FC東京)も必要な場面では中盤での守備に加わるので、ウクライナの攻撃は無力化されてしまった。
中盤が安定したことの効果は大きかった。
中盤での守備でパスコースが限定されるので、最終ラインも狙いを絞りやすかったのだろう。相手のロングボールにも的確に対処し、危険な場面を作られることも少なかった。
一方、攻撃陣も中盤を支配できたので思い切ったプレーをすることが可能となり、前半の立ち上がりからチャンスを作り続けた。
佐藤恵允
攻撃陣で存在感を発揮したのは、やはり10番を付ける佐藤恵允(ヴェルダー・ブレーメン)。佐藤がしかけることによって、相手のストロングポイントであるサイドバックの攻撃参加を抑制する効果もあった。2点目は、バイタルエリアで佐藤が粘って、こぼれ球が田中聡(湘南ベルマーレ)に渡って生まれた。
後方からの“くさびのパス”を使って速い攻撃を仕掛ける形はマリ戦でも目立っていたが、ウクライナ戦でもセンターバックの馬場晴也(北海道コンサドーレ札幌)や藤田から良いパスが供給された。馬場も藤田も相手がプレッシャーをかけてきても、ちょっとボールを動かし、体の向きを変えることでプレスをはがすだけのテクニックを持っているので、余裕を持ってパスを供給することができた。
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