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サッカー フットサル コラム 2024年3月13日

CL権争いはアストンヴィラとトッテナムのマッチレースか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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アストンヴィラとの直接対決で4‐0の圧勝を収めたトッテナム。精神的にも優位に立ったか

アストンヴィラとの直接対決で4‐0の圧勝を収めたトッテナム。精神的にも優位に立ったか

極上のバトルだった。一秒が、一瞬が惜しいほどにも感じられる。超ワールドクラスの攻防が繰り広げられ、その中心で遠藤航が胸を張った。ユルゲン・クロップ監督とジョゼップ・グアルディオラ監督の “名勝負数え唄” は1−1の引分け。「どちらも負けなくてよかった」。

それにしても、彼らリヴァプールとマンチェスター・シティに、アーセナルを加えたプレミアリーグの優勝争いは気絶するほどハイレベルだ。その他17チームとは次元が違う。

クロップが有終の美を飾るのか、グアルディオラがリーグ史上初の四連覇を達成するのか、アーセナルのミケル・アルテタ監督は悲願の初戴冠か。

さて、優勝争いとともに、チャンピオンズリーグ出場権をめぐる残り一枠も3チームに絞られた。アストンヴィラ、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッドである。

ただし、ユナイテッドは望み薄だ。現在4位のアストンヴィラが残り10試合を5勝5敗の五分で終わったとしよう。勝点は70。ユナイテッドが上まわるには24ポイントが必要で、リヴァプール戦とアーセナル戦を残している。ともにホームゲームとはいえ、今シーズンのユナイテッドは終始パッとしない。最終節はアウェーで苦手のブライトン戦が待っている。

ルーク・ショーとタイレル・マラシアの長期欠場を、「メディカルスタッフのミス」と断罪したエリク・テンハフ監督の舌禍により、ただでさえ陰鬱だったムードがより暗くなった。

したがって、CL権争いはアストンヴィラとトッテナムのマッチレースになる公算が大きい。本稿執筆時点で前者が2ポイント差のリードを奪っているが、後者は消化試合がひとつ少ない。

また、28節の直接対決で4‐0の圧勝を収めたトッテナムは意気上がり、アストンヴィラは少なからぬショックを引きずる。

さらに、ミッドランズの古豪はキャプテンのジョン・マッギンが一発レッド。3試合の出場停止処分を科され、今週末のウェストハム戦、インターナショナル・ウィーク明けのウォルヴァ―ハンプトン戦、そして31節のシティ戦に起用できなくなった。

19節のユナイテッド戦で右膝前十字靭帯の重傷を負ったブハカール・カマラは、今シーズン中の復帰が不可能だ。マッギンとともに中盤に強度をもたらす実力者の欠場はダメージが深く、アストンヴィラは29節からの3試合でポイントを大きくロスする恐れすら出てきた。

ちなみにアーセナル戦が33節に、リヴァプール戦が37節に控えている。なおかつカンファレンスリーグも進行中だ。プレミアリーグとの試合間隔は中二~三日。疲労回復の時間がない。

一方のトッテナムは、34節からの三連戦が大きな山場になる。シティ、リヴァプール、アーセナル。なんというスケジュールだ。三強との直接対決を迎えるまでの5試合はフラム、ルートン、ウェストハム、ノッティンガム・フォレスト、ニューカッスルが相手だ。12~13ポイントは上積みしたいところだ。

マンデイナイトのアストンヴィラ戦で右の太ももに違和感を訴えたミッキー・ファン・デ・フェンも、本人の申告では軽症だ。膝を痛めていたリシャーリソンも今週末には復帰する予定であり、トッテナムのターゲットはプレミアリーグ一本だ。

試合間隔と負傷者をふまえると、CL権争いはノースロンドンの名門が有利といわざるをえない。しかし、三強との三連戦を前にポイントを必要以上にロスしていると、そのまま深い泥沼にはまっていく。

さぁ、まもなく最終盤がやって来る。ウナイ・エメリ、アンジェ・ポステコグルー両監督は、どのような手綱さばきでCL権を手に入れるのだろうか。嗚呼、ユナイテッドは届くまい。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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