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サッカー フットサル コラム 2024年2月22日

素晴らしい攻撃もゴールに結びつかない横浜。20時開始だったので延長戦で帰宅が心配に……

後藤健生コラム by 後藤 健生
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そして、キックオフは20時だったので、試合が終了したのは23時50分近くになってしまった。

僕は、試合後の記者会見は聞かず、すぐににスタジアムを出たので、ようやく終電の1本前の電車に乗って帰宅することができたのだが、遠方から来場したサポーターの中には帰宅できなかった人もいたのではないだろうか?

VARによって相手DFのハンドが認められてPKが与えられたからよかったものの、あのままPK戦にもつれこんでいたとしたら、きっと多くの帰宅困難者が出たことだろう。

“悪いのは”何度もVARを介入させた審判団……ではなく、横浜FMの攻撃陣である。早く点を決めていてくれさえすれば、何も問題ではなかったのだ。今後のシーズン中の改善に期待したい。

そして、もう一つの問題は、この試合のキックオフ時刻がなぜ20時だったのかという点だ。

前日の川崎フロンターレ対山東泰山の試合は17時キックオフだった。

帰宅するには楽だったが、仕事をしている人にとっては観戦に訪れにくい時間である(それでも、等々力陸上競技場には1万人を超えるサポーターが集まった)。

AFCは、いったい何のために、こんな試合時間を設定したのだろうか?

考えられる唯一の理由は開始時間をズラすことによって、テレビやネット配信の視聴者数を増やすことだ。たとえば、スペインのラリーガは2時間ごとにキックオフ時刻を設定しており、連続して4試合をテレビ生観戦することが可能になっている。また、UEFAのチャンピオンズリーグ(UCL)でもグループステージでキックオフ時刻を変えることで、2試合を生観戦できるようにしている。

おそらく、AFCはそういったヨーロッパでの事例を見て「ああ、こりゃあいい」とでも思って真似したのだろう。

AFCというのは、もともとFIFAやUEFAのことを何でも真似たがる人たちの集まりだ。

かつて、ACLでもUCLと同じように決勝戦を中立地での一発勝負にしたものの、中立地では観客が集まらずに失敗したことがある。

UCLは世界中の視聴者から注目されるキラー・コンテンツだから、キックオフ時刻をズラすことで非常に多くの視聴者を獲得し、放映権料を吊り上げることができる。だが、ACLでは視聴者数がそれほど多くなるとは思えない。それよりも、まずはスタジアムを訪れる観客を増やして試合を盛り上げるべきではないか。

AFCという組織の統治能力には、つくづく疑問を感じざるを得ないのである。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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