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来年1月に移籍する可能性は低いが、ジョルジーニョ(左)はキャリアのたたみ方を考えている
冬の市場がまもなく幕を開ける。選手本人やクラブが好むと好まざるとにかかわらず、例によって想像力たくましい情報が乱れ飛ぶ。ちなみに筆者はどこへも行かない、そりゃそうだ。
今回は冨安健洋(アーセナル)や板倉滉(ボルシア・メンヒェングラートバッハ)、町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)といった日本代表の名前もメディアを賑わせている。しかし、現時点で彼らの移籍は考えづらい。
なぜなら、1月12日~2月10日にかけてアジアカップが開催されるからだ。左のふくらはぎを痛めている冨安は参加できそうにないものの、日本代表の森保一監督が板倉と町田を招集する可能性は極めて大きい。
1月中に契約し、一旦は今シ―ズンの所属先にローンというプランも考えられるとはいえ、冬の移籍のメインテーマは即戦力。すぐに起用できない選手を獲得するのはあまりにもリスキーだ。
一方、来年6月に契約満了を迎える選手たちの去就も注意しなければならない。レアル・マドリーのトニ・クロースとルカ・モドリッチ、ユベントスのアドリアン・ラビオ、アーセナルのジョルジーニョ、リヴァプールのチアゴ・アルカンタラとブルーノ・マティプ、さらにマンチェスター・ユナイテッドのラファエル・ヴァランなど、今冬はビッグネームが多いからだ。
「あくまでも残留が基本だが、将来はイタリアに戻りたい」
ジョルジーニョはアーセナルに重心を置きつつ、キャリアの最終章を探している。
また、ラビオはエージェントを務める実母ヴェロニクが無理難題を押しつけようとするため、交渉の席が荒れる。出場機会を求めるモドリッチにインテル・マイアミ、ベシクタシュが急接近したようだ。
さて、マティプはどうなるのだろうか。14節のフラム戦で左膝十字靭帯を痛め、今シーズン中の復帰は絶望的だ。だれもが認める実力派センターバックだとしても、ケガの多さは否めない。
リヴァプールに加入した2026/17シーズンは29試合、翌シーンは25試合。まずまずの出場数だ。しかし、その後9試合、10試合と極端に減り、昨シーズンは復活の31試合を記録しながら、今シーズンはまたしても長期離脱を余儀なくされている。
戦力として、計算しづらくなってきた。
ユルゲン・クロップ監督をはじめとする首脳陣は、つねに選手を慮ってきた。卑劣な人選はありえないが、32歳になり、頻繁に欠場するマティプを限界と捉え、契約延長をためらう確率も低くはないだろう。
手薄なCBを補うべく、冬の移籍市場でボーンマスのロイド・ケリー(希少価値の高いレフティー)、もしくはサンパウロのルーカス・ヘラルドを獲得するのではないか、との噂も飛び交いはじめている。
先述したクロースをはじめとするビッグネームは、ラビオを除くと全員30代だ。各クラブの経営陣が契約内容を見直す年齢である。
夏冬ともに、移籍市場はなにが起きても不思議ではない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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