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サッカー フットサル コラム 2023年11月16日

いま、自分がなにをすべきか、なにができるのかを考えよう

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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プレミアリーグではノーゴールだが、ホイルンドは前線の基準点として機能しつつある

プレミアリーグではノーゴールだが、ホイルンドは前線の基準点として機能しつつある

クラブチームを率いる監督たちは、「選手がケガをしないか」とインターナショナル・ウィークに不安を駆られる。公式戦の予選ならまだしも、FIFAやUEFAの懐を潤すだけのフレンドリーマッチは、できるものなら避けたい。

また、インターナショナル・ウィークはタブロイド紙や一部の個人配信など、情報の裏も取れずに、いや、裏を取る人脈を持たず、いやいや、裏を取るという報道の基本すらマスターしていない連中が、ここぞとばかりに出まかせを並べ立てる時期でもある。

「悪意に満ちた発信は慎んでくれないか」(マーカス・ラシュフォード)
「選手と監督が不仲だなんて、なんの根拠もない」(ラスムス・ホイルンド)
「嘘っぱちだらけのメディアもある」(アーロン・ワン=ビサカ)

マンチェスター・ユナイテッドの選手たちが声を上げはじめた。堪忍袋の緒が切れたのかもしれない。無理もない。OBたちの余計な外圧も彼らの神経を逆撫でするからだ。

「すぐにイライラするブルーノ・フェルナンデスはキャプテンに適していない」(ロイ・キーン)

一年ほど前、「ハリー・マグワイアは人が良すぎる。キャプテンは強気なブルーノがふさわしい」と語っていた張本人が、である。現役当時のキーンは四六時中イライラしていた。

「シュートストップではダビド・デ・ヘアがアンドレ・オナナをまさっている」(ペーター・シュマイケル)

昨シーズン、デ・ヘアのセーブ率は70.1%。オナナは12試合消化時点でリーグ3位の76.7%。シュマイケルはデータをチェックしていないようだ。

古巣を愛するゆえの苦言だとしても、的がずれている。どうすれば不調から脱出できるのか、キーンとシュマイケルは具体策を提示すべきだ。ネガティヴ・キャンペーンは心ある人々に響かない。

ただ、エリク・テンハフ監督には現状打破の責務がある。12試合消化時点で7勝5敗・勝点21。デイヴィッド・モイーズ体制の2013/14シーズンも、6勝3分3敗・勝点21だった。暗中模索、五里霧中だった10シーズン前と同等なのだから、負傷者の復帰や主力の復調を待つだけでは不十分だ。

戦略の落とし込みはもちろんだが、より基本的な部分も再確認した方がいい。MANCHESTER “UNITED” を名乗っているにもかかわらず、今シーズンは一体感を欠いている。多くのメディアが “not functioning as a unit”(機能していない) という表現を頻繁に用いるようになってきた。

11節のチェルシー戦で1-4の敗北を喫したトッテナムがなぜ称賛されているのか。ふたりの退場者を出しながら一歩も引かず、最後の最後まで攻撃的な姿勢を貫いたからだ。ロッカールームに引きあげるアンジェ・ポステコグルー監督を、キャプテンのソン・フンミンをはじめとする選手たちを、サポーターはスタンディング・オベーションで見送った。

いま、自分がなにをすべきか、なにができるのかを考え、チームのためにハードワークする。チームの一体感が、情熱がひしひしと伝わったからこそ、トッテナム・サポーターは1-4でも熱く熱く支えた。

自陣に戻るときもスプリントしろ! ドリブルをカットされたらすぐにボールを奪い返せ! レフェリーに意見してねぇで、さっさとポジションに戻りやがれ! 鈍足だってことをわきまえろ! 守勢にまわったぐらいで不安そうな顔をするんじゃねえっ! 嗚呼、ついつい愚痴っぽくなる。

しかし、悪いことばかりでもなさそうだ。およそ一年にわたってもめ続けた売却問題が、今週末から来週早々にもいよいよ決着する見込みだ。ジム・ラトクリフ卿が株式の25%を購入。補強や監督人事などの実権を握る。

また、関わった移籍の大半が失敗に終わったジョン・マータフは解任。代わってASモナコやサウサンプトンで多くの人材を発掘したポール・ミッチェルが、新ディレクターとして赴任する可能性が大きくなってきた。

さらに、CEOのリチャールド・アーノルドも年内で退任。後任は、ラトクリフ卿が所有するニースから、ゼネラルマネジャーのジャン=クロード・ブランを抜擢する人事が進行しているという。

It’s time for a NEW ERA──。

永すぎた冬がまもなく終わる。ブランとミッチェルは業界に精通し、ラトクリフ卿はつねづね “ユナイテッドLOVE” を公言してきた。クレイザー・ファミリーとは根っこが違う。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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