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サッカー フットサル コラム 2023年11月5日

ついに初めてのタイトルを手にした福岡 攻守ともに狙い通りの戦いでビッグクラブを倒す

後藤健生コラム by 後藤 健生
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50分には浦和がチャンスの芽をつかみかけた場面があった。右サイドから安居海渡を経由して、左サイドバックの荻原にボールが渡ると、福岡のスライドが遅れたように見えた。荻原が一気にドリブルで崩せばチャンスにつながる場面だった。

だが、前方にスペースが見つからなかったのだろう。荻原は突破を諦めてスローダウン。上がってきた安居に渡したものの、安居もすぐに展開できず、浦和はチャンスの芽を摘み取られてしまった。

55分には、右サイドで紺野が上がってきたドウグラス・グローリを使い、D・グローリが強引に突破を図ったところでファウルを受けて福岡にPKが与えられた。

これが決まって入れば、福岡が勝利に大きく近づくはずだったが、山岸が蹴ったPKは浦和の守護神、西川周作がストップ。これで、ゲームの流れが大きく変わった。

浦和のマチェイ・スコルジャ監督はハーフタイムに安居と大久保智明を投入したのに続いて、福岡がPKを失敗した直後の61分にはブライアン・リンセンと明本考浩を起用。ホセ・カンテとリンセンのツートップにして、両ウィングには右に大久保、左に明本を置く4-2-4。そこに、SBの酒井もトップまで上がって、ターゲットとしてその高さを生かした。

こうして、60分以降は浦和がボールを握り続け、それまで足りなかった強引さも加わって、猛攻を続けることになった。

浦和は攻撃を続けた。そして、67分には酒井のクロスボールをうまくコントロールした明本がGKの股下を抜くシュートを決めて1点を返し、なおも福岡ゴールを脅かし続けた。アディショナルタイムにはホセ・カンテのシュートが左のゴールポストに当たる場面もあった。

だが、一方的にボールを握って攻勢をかけるものの、浦和はなかなか決定機を作ることができなかった。攻撃の効率性と言う意味では、福岡がはるかに上回っていたのだ。

浦和レッズというビッグクラブ相手に真っ向から戦いを挑み、相手の分析に基づいて好守の狙いをはっきりさせた福岡。後半はピンチの連続だったとしても、内容的には「完勝」と言っていいものだった。

今シーズンの福岡は、J1リーグでは現在8位という好位置につけ、カップ戦ではルヴァンカップで優勝し、天皇杯でも準決勝敗退という見事な成績を残した。戦力的にはけっして恵まれたクラブではない福岡というチームを率いて、これだけの成績を収めた長谷部茂利監督の手腕は高く称えられるべきだろう。

「これからは分析される側になる」という長谷部監督の言葉が誇らしげだった。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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