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サッカー フットサル コラム 2023年10月24日

今週末はクラシコ!ただしクラシコは、相手の不正を疑い合っている者同士の顔合わせでもある

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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場外の論戦については、陰謀論がはびこるスペインサッカー界の裏側を知らないと理解できないだろう。

独裁者フランコがカタルーニャを弾圧したのは歴史的事実。ここから独裁者に愛されたレアル・マドリーが審判を買収していたという疑惑が生まれ、独裁者の死後半世紀の今もレアル・マドリーがサッカー界を牛耳っている、と信じている人は、バルセロナファンに限らずたくさんいる。

バルセロナが審判副委員長ネグレイラに17年間に渡って大金を払っていたのも「中立なジャッジになるように」(ネグレイラ)が理由だったのは興味深い。さらに、そもそもこの事件がスキャンダルになったのも「マドリディスモ・ソシオロヒコ」(社会の権力中枢にいるレアル・マドリー主義者)が、バルセロナの名を汚そうとしているから、と会長は主張している。

クラシコは、相手の不正を疑い合っている者同士の顔合わせでもあるのだ。

傍から見ている日本人、私は呆れている。八百長があるかもしれない試合に勝っても負けても感動なんかするわけがない。興醒めの一言だ。

とはいえ、陰謀論は決してなくならない、と思っている。

裏を勘繰ればキリがない。陰謀論者には不利なジャッジの一つひとつが陰謀に見えることだろう。ミスジャッジや微妙なジャッジはサッカーから消えてなくならない。よって、陰謀論も消えてなくならない。加えて、公正さとは真逆の存在=独裁者によるカタルーニャ弾圧の歴史は不変なので、そこから類推される陰謀論も不変である。

どこまで行っても終わりがなく、熱心なファンであればあるほど憑りつかれる陰謀論は、スペイン人にとってネガティブな宿命、一種の呪いなのかもしれない。

日本人だからこそ純粋に楽しめるクラシコ、という面もあるのだ。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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