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2ゴールをマークした田中碧
三笘薫をはじめとして何人かの選手が招集外あるいは招集辞退となった日本代表。森保一監督にとって、それは想定内のことだったのだろう。そして、森保監督はカナダ戦で敢えて代表経験の少ない選手や久しぶりの合流となった選手を積極的に起用した。
最近の試合で多くの出場機会が与えられていた選手はカナダ戦とチュニジア戦に分散させて、その分、さまざまな“新しい組み合わせ”をテストしようという目論見なのだろう。
たとえば、守備ラインでは板倉滉や谷口彰悟、菅原由勢、伊藤洋樹はベンチに置いて、右から毎熊晟矢、冨安健洋、町田浩樹、中山雄太という新鮮な顔ぶれが並んだ。
攻撃陣では、三笘不在の左サイドで中村敬斗が9月の欧州遠征に続いて抜擢され、トップ下にカタール・ワールドカップ以来の招集となった南野拓実が起用されたが、守備陣に比べれば手慣れたメンバーのように見えた。
いろいろなテストを兼ねたカナダ戦は、新しい組み合わせが多かったこともあって「完璧な出来」からはほど遠かった。
だが、それでも日本代表は4ゴールを奪って見事に勝利した。最強メンバーを組んで、最高のパフォーマンスを発揮したからではなく、新布陣のテストをしながらでもこうした勝ち方ができる。そのことが、今の日本代表の強さを示していると言えるだろう。
キックオフから20秒ほどで最初のチャンスを作った日本は、その後も猛攻を続けて、わずか1分20秒で田中碧が先制ゴールを決めた。田中にクロスを送ったのは毎熊だ。9月の遠征で初めて招集されて、アピールに成功したセレッソ大阪の右サイドバックだ。
ゴールシーンだけではない。開始直後に前線のスペースを見つけてタッチライン沿いにグラウンダーのパスを通して、南野につなげたのも毎熊だったし、その後も、同様にタッチライン際のパスで何度もチャンスメークに成功した。
A・デービスの攻撃を抑える毎熊晟矢
しかも、毎熊がサイドで対峙していたのは、バイエルン・ミュンヘン所属でカナダの攻撃の軸、アルフォンソ・デービスだったのだ。押し込まれる場面もあったものの、デービスを抑えながら攻撃面でも貢献したのだから、森保監督の毎熊に対する評価は大きく上がったはずだ。
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