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サッカー フットサル コラム 2023年9月20日

テンハフは非常時のプランも練りあげなくてはならない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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エリク・テンハフ監督

サンチョに続き、リクルートチームとの衝突が噂されるテンハフ監督。開幕早々に正念場を迎えたのか

いきなりの緊急事態である──。

メイソン・マウント
ラファエル・ヴァラン
ルーク・ショー
アーロン・ワン=ビサカ
コビー・メイヌー
アマド・ディアロ
タイレル・マラシア
ソフィアン・アムラバト
トム・ヒートン
ハリー・マグワイア

開幕早々、マンチェスター・ユナイテッドの負傷者リストには10人もの選手名が書き込まれた。ヴァランとショー、ワン=ビサカは主戦級DFであり、メイヌーはプレシーズンマッチで中盤のレギュラー争いに割って入るのでは、と期待された下部組織出身の超有望株だ。

負傷者だけではない。カゼミロ、リサンドロ・マルティネス、マーカス・ラシュフォードが精彩を欠いている。彼らの好不調は、昨シーズンもユナイテッドの勝敗を大きく左右していた。

このような状況でバイエルン・ミュンヘンとのチャンピオンズリーグ第1節を9月20日に迎えるとは、だれが予想できただろうか。しかも苦手のアウェーで……。

とくに主戦級を3人も欠く最終ラインは不安だらけだ。右からディオゴ・ダロト、ヴィクトル・リンデレフ(ジョニー・エヴァンズ)、L・マルティネス、セルヒオ・レギロンの4バックか。あるいはダロトとレギロンを両ワイドに配置する3バックか。選択肢は限られている。

さらに、悪いことは重なるもので、エリク・テンハフ監督と意見が衝突したジェイドン・サンチョは別メニューで調整中。アントニーは暴行事件に関与した疑いにより、トップチームから離れている。

また、「リクルートチームが “プレミアリーグでは通用しない” と猛反対したにもかかわらず、テンハフひとりがアムラバト獲得にこだわった」とか、「ブライトン戦終了後にブルーノ・フェルナンデス、リンデレフ、L・マルティネスが口論になった」などなど、内部分裂を示唆するような報道まで飛び交う始末だ。

「テレビや評論家の信ぴょう性に乏しい報道、かつて所属していた選手たちの意味不明な外圧など、ユナイテッドはつねにプレッシャーにさらされている。サー・アレックス・ファーガソンが創った偉大なレガシーをリスペクトしない愚かな行為だ」

バイエルンのトマス・トゥヘル監督がイングランドの名門をかばっていた。やはり嬉しい。

だが、ポジティヴな要素が皆無に等しいのだから、ドイツの覇王から3ポイントを奪う可能性は低い。テンハフのスタイルからほど遠くても、守備重視の闘い方が妥当だ。ラウンド16進出をふまえ、得失点差の大きなマイナスだけは避けた方がいい。

辛抱して辛抱して辛抱し、ラシュフォードのカウンターに託す。あるいは、アレハンドロ・ガルナチョのスピードを試合終盤に活用するか。

相次ぐ負傷者のなかで、9月中の復帰が見込まれているのはマウントとヴァラン、メイヌー(3名は19日の全体練習に合流)、マラシアの4人だ。ショーは10月下旬まで、ワン=ビサカは11月中旬まで戻って来られそうもない。

今週末はバーンリー戦だ。26日にクリスタルパレスとリーグカップを闘い、四日後には同じ相手とプレミアリーグだ。その後もガラタサライ、ブレントフォード、シェフィールド・ユナイテッド、FCコペンハーゲンとプレミアリーグ、CLを消化し、10月29日にはマンチェスター・ダービーがやって来る。

負傷者続出とはいえ、この8試合がユナイテッドの今シーズンを左右するといって差し支えない。ポイントを著しくロスした場合はプレミアリーグの4位以内が難しくなり、CLではラウンド16進出に暗雲が立ち込める。

テンハフはどのようなマネジメントで緊急事態を乗りきるのだろうか。理想を追い求めるだけでは無理がある。非常時のプランも練りあげなくてはならない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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