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サッカー フットサル コラム 2023年9月12日

「これで本当に選手が伸びるのか」 前年王者の指揮官が育成と結果の狭間で抱える葛藤 高円宮杯プレミアリーグWEST サガン鳥栖U-18×名古屋グランパスU-18マッチレビュー

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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だからこそ、ぬるい空気感が我慢できなかったのだろう。プレミアの再開を目前に控えた8月のある日の練習で、温厚な指揮官が珍しくブチ切れた。

「3年生にメチャメチャ怒りました。彼らに聞くとU-15の時は北島(郁哉)が後ろから鼓舞するような声を出しながら、プレーでも勇気を与えながらやっていたらしいんですけど、今は彼がケガでいない中で、代わりに自分たちがという感じでもなかったので、『1人でできないんだったら全員でやろうよ』という話をしたことがあったんです。でも、少ししたら結局元に戻っていて、もうちょっと彼らが危機感を持って何かを自分たちで変えようとしないと何も変わらないので、『もういい。やめよう』と言って、練習を途中でやめて、僕だけ寮に戻ったんです」(田中監督)。

サガン鳥栖U-18・田中智宗監督

キャプテンを任されている先田颯成が、その話を引き取る。「そんなことは普段ないので、結構ビックリしました。練習していた時に、監督が途中で帰ってしまったので、自分たちも寮に戻って、謝りに行きました」。いわば“劇薬”の投与。経験豊富な田中監督にとっても、1つの賭けだったことは間違いない。

「ちゃんとやろうとは思っていたんですけど、3年生の力がなくてああいうことになってしまって……。でも、そこでもう1回自分たちに何が足りないのかとか、ちゃんと全員が全力でやっているのかとか、そういうことを話しました。3年生なのに僕たちが足を引っ張っていたのは、チームのみんなに迷惑を掛けていたなと思いますし、『これからはこういうことはなしにしよう』と確認できて、あそこで立ち直れたというか、それに気付けたことで自分たちも変わることができたのかなって」(先田)。

再開初戦の神村学園高校戦は1-3の敗戦だったが、内容にはチームも一定の手応えを感じていた。そして、名古屋グランパスU-18と対峙したホームゲームでは粘り強く戦って、2-0で勝利を手繰り寄せる。

実に4か月ぶりの、8試合ぶりの白星は、システム変更で新たに生まれた“右ウイングバック”のポジションに抜擢された内丸寛太と、同様にこの新布陣の“中盤アンカー”で出場機会を得ている池末徹平が揃ってプレミア初ゴールを奪った上に、守備陣も奮闘しての見事な無失点での勝利。ようやく彼らは“次の一歩”を力強く踏み出した。

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