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サッカー フットサル コラム 2023年8月18日

U-18代表に課題が突きつけられる 久しぶりに韓国勝利で終わった日韓戦

後藤健生コラム by 後藤 健生
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そして、後半に入ると韓国のダイナミックなパス回しに対して日本は明らかに劣勢となり、45分(後半5分)には日本側から見て左サイドのイ・ゴニが入れたクロスからゴール前に混戦が生まれ、逆サイドから詰めてきたカン・ミンソンに決められてしまう。そして、その後も韓国が優勢なまま80分が終了。韓国が勝利を飾った。

もっとも、劣勢に陥ったも日本にもカウンターからチャンスが生まれ、ポゼッションで上回っていた前半以上に多くの決定機が生まれたのは皮肉なことだった。

この数年、日本の若い世代の選手たちはフィジカル・コンタクトでも韓国にけっして劣ってはいなかった。だが、この静岡での対戦ではフィジカルと走力の劣勢は明らかだった。

攻撃陣でフィジカル勝負で戦えたのはトップの塩貝だけだった。もう1人、大きくて強いFWがほしいところだった。たとえば、今大会からU-18代表を率いるのは船越勇蔵監督だが、船越監督の現役時代のようなタイプの選手がほしいところだ。

あるいは、もっとパスの精度とスピードを上げて、韓国の守備陣をかいくぐるだけの能力を付けたいところでもある。

もっとも、現在のU-17日本代表は、先日のアジアカップでも見せたように得点力の高いチームであり、強さを持つストライカー・タイプの選手が何人かいる。11月のU-17ワールドカップが終われば、彼らも次のU-20ワールドカップに向けて合流してくるので、そこで解決への道が見えてくるのかもしれない。

さて、静岡の日韓戦は前半のうちからフィジカル勝負ともなり、激しいプレーが増えて、23分までにボランチの尾川と大関がそろって警告を受てしまった。今後も、アジアの戦いでは日本相手にフィジカル勝負を仕掛けてくる相手も多いはず。そうした戦いの中でも冷静に戦うことは必要だ。

現在のU-18日本代表の弱点が立ち上げの段階で明らかになったことはプラスに捉えたい。

最近の韓国は日本相手にもパス・サッカーで対抗しようとすることが多く、日本のストロングポイントが引き出され、その結果、日本の勝利に終わることが多かった。

しかし、日本が韓国と対戦するときに怖いのはやはりフィジカル勝負、スピード勝負に持ち込まれることだ。日本に対して久しぶりに勝利したU-18韓国代表の戦いはそんな構図を見せてくれた。今後も、韓国は日本の弱点を突いて戦ってくることだろう。

そんな相手の意図を克服して、韓国がフィジカル勝負を挑んできても、それを跳ね返し、また技術の力でこじ開けて勝利できるようにする……。それは、世界大会で日本が欧州勢、南米勢と戦うときにも必要な要素だ。韓国という、地理的にお隣の強豪国と戦わないのはもったいない。日韓両国の交流の活発化を期待したい。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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