人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2023年5月23日

『自分たちの弱さを受け入れたタイガー軍団が信じる“伸びしろ”の可能性 高円宮杯プレミアリーグEAST 市立船橋高校×前橋育英高校マッチレビュー』

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
  • Line

「最初のフロンターレ戦でプレミアの基準を思い知らされて、そこからチームとして良い守備から良い攻撃に繋げるところや、1つ1つのプレーを大事にするところで、意識が変わってきたのかなと思います」と右サイドバックを務める青木蓮人が話し、「フロンターレ戦でプレミアはスピード感が全然違うことを学んだので、練習の中の強度やゴール前で身体を張るところは、新人戦の時より成長したと思います」と山崎もきっぱり。やはりプレミアの開幕戦で王者と対峙したことが、良い意味でその後の携えるべき基準を与えてくれたことは間違いない。

第2節の旭川実業高校戦では2ゴールを叩き出し、第4節の横浜F・マリノスユース戦でも先制点を奪取。自身の結果をチームの勝利に結び付けてきた斎藤陽太も「プレミアの開幕前と今を比べてもボールを持てるようになりましたし、ゴール前で身体を張る部分も、2か月前と比べたら断然違うと感じています」と語れば、ボランチで7試合すべてにスタメン出場している石井陽も「チーム全体で守備のところは本当に意識してやっていて、最後まで身体を張るところとか、連続して守備するところは練習からしっかりトレーニングできていて、それが勝利に繋がった試合もありましたね」と認めており、やはり『ゴール前で身体を張る部分』の成長は彼らの共通認識のようだ。

また、センターバックとして守備陣を束ねる熊谷は、チームの雰囲気に変化を感じているという。「たとえ失点したとしても、『まだまだ取り返せるぞ』みたいな気持ちはチームとしても出てきましたね。フロンターレ戦は決められたら、みんな『ああ……』となってしまう感じだったので、そこは良くなっている感じがします」。とりわけその言葉を証明したのが柏U-18戦であり、確実にメンタル面でも成功体験は積み上がっている。

それでも、まだ絶対的な手応えを掴んでいるわけではない。この日の市立船橋高校戦も相手にボールを持たれる中で、先に2点を奪われる苦しい展開に。後半は途中出場のオノノジュ慶吏の推進力で何度かチャンスを作ったものの、それを生かし切れずに0-2で敗戦。「前回も逆転という良い流れで来ていた分、今回のこの負けでゼロに戻ったというか、市船さんの方が1枚上手だったのかなと。チーム的にも安定感がまだまだないと思います」と雨野も口にするなど、継続して結果を出すだけの力はまだ兼ね備えきれていない。

ただ、裏を返せばそれはまだまだ成長の余地が十分に残されているということ。キャプテンも任されている雨野の言葉が頼もしい。「去年のチームも試合を通してどんどん成長していきましたし、今年はその伸びしろが去年より大きいと思うので、試合を積み重ねていくうちに、どんどん成長していると思います」。

2か月前よりグループ全体が進化していることは疑いようがない。自分たちの弱さを受け入れたタイガー軍団は成長の余地、つまりは“伸びしろ”の可能性を信じて、決して歩みを止めることなく、一歩ずつ、一歩ずつ、着実に前へと進み続けている。

前橋育英高校のキャプテンを務める雨野颯真

文:土屋雅史

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ