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サッカー フットサル コラム 2023年5月12日

降格が間近に迫ったサウサンプトンに選手を留める術はない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ジェイムズ・ウォード=プラウズ

ジェイムズ・ウォード=プラウズ

早ければ今週末にもサウサンプトンの降格が決定する。

プレスターがリヴァプールから、リーズがニューカッスルから少なくとも1ポイントを奪い、サウサンプトンがフラムに敗れると、2012-13シーズンから守りつづけたプレミアリーグに別れを告げなくてはならない。吉田麻也と李忠成、南野拓実もプレーしたサウスコーストのクラブに、リセットのときが訪れようとしている。

13-14シーズンから4年間は8位、7位、6位、8位とトップ10を維持したものの、その後はアダム・ララーナとサディオ・マネ、フィルジル・ファン・ダイクをリヴァプールに引き抜かれ、ピエール=エミール・ホイビュアがトッテナムに移籍して弱体化した。

直近5シーズンも青息吐息の残留ばかりで、サポーターが留飲を下げたのは19-20シーズンの11位だけだ。10月には降格圏に足を踏み入れたが、3バックから4バックに変更して攻守が安定。新型コロナウィルスの影響による中断が明けた後は5勝3分1敗と、余裕の残留だった。

だが、必要以上に体力の消耗を強いるラルフ・ハーゼンヒュットル監督(当時)のスタイルを嫌う選手も少なくなく、なおかつ指揮官は上から目線が過ぎたともいわれている。

当然、ハーゼンヒュットルの求心力を失われ、22年11月7日に解雇。後任のネイサン・ジョーンズ、ルベン・セジェスもモチベーションが低下した選手を傍観するだけで、解決策を持たなかった。

降格が現実味を帯びているというのに、ここ2~3か月は生気がない。3月4日のレスター戦に1-0の勝利を収めた後は3分7敗。まさしく泥沼である。

多くの選手が去っていくだろう。ロメオ・ラヴィアのエージェントは「ビッグクラブから少なからぬ引き合いがある」としきりにアピールし、GKギャビン・バズヌにはトッテナムが白羽の矢を立てるという。ウーゴ・ロリスの後継者候補だ。

また、対人プレーに滅法強いモハメド・サリス、高精度のクロスに加え、一撃必殺のタックルが魅力のティノ・リヴラメントは、リヴァプールを率いるユルゲン・クロップ監督のレーダーに捉えられても不思議ではない。

そしてジェイムズ・ウォード=プラウズは引く手数多だ。昨年夏からニューカッスルが興味を示し、トッテナムとウェストハムが具体的な金額を提示したとの情報も飛び交いはじめた。

さらに、ウナイ・エメリ監督のもとでさらなるステップアップを目論むアストンヴィラが、今夏の第一ターゲットとしてリストアップしたとも伝えられている。

いま、ウォード=プラウズほど自在に右足を操れる選手はいない。デビュー以降に直接FKから17ゴール。デイヴィッド・ベッカムがマンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた当時のリーグ記録は18。プレミアリーグの歴史を塗り替える男でもある。

サウサンプトンの降格が間近に迫ったいま、ウォード=プラウズの人生は転機を迎えるに違いない。

そのほかエヴァートンのドミニク・カルバート=ルーイン、ジョーダン・ピックフォード、レスターのジェイムズ・マディソン、ジェイムズ・ジャスティン、ハーヴィー・バーンズ、リーズのイラン・メリエなども、降格すればプレミアリーグのクラブからオファーが届く公算が非常に大きい。

彼らはいずれ劣らぬタレントだ。争奪戦は激しくなる。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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