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サッカー フットサル コラム 2023年3月24日

75歳で現場復帰を決意したホジソンの情熱にリスペクトを

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ロイ・ホジソン監督

トッテナムを率いるアントニオ・コンテのように、記者会見でブチ切れたわけではない。クラブ間の人間関係も良好で、ウィルフリード・ザハとは固い絆で結ばれたていたという。

2023年は6分5敗。ひとつも勝てなかった。11試合のなかにはトッテナム、チェルシー、ニューカッスル、リヴァプール、マンチェスター・シティといった強豪や、アストンヴィラ、ブレントフォードなどの難敵が含まれ、さらに好調ブライトンとマンチェスター・ユナイテッドが2試合ずつ。「勝点を稼ぐのは難しい相手ばかりだった」と言い訳しても許されるかもしれない。

しかし、この間にゴールレスが7試合もあり、本稿執筆時点の総得点22もウォルヴァーハンプトン、エヴァートン、ノッティンガム・フォレストと並んでプレミアリーグ・ワースト。ザハ、マイケル・オリース、エベレチ・エゼをはじめとする有能なアタッカーのポテンシャルを活かしているとはいえなかった。

現地時間3月17日、クリスタルパレスはパトリック・ヴィエラ監督を解任した。

いま、彼らは残留争いの真っただ中にいる。先述したアタッカーだけではなく、GKビセンテ・グアイタ、DFヨアキム・アンデルセン、クリス・リチャーズなど、守備陣にもタレントが揃っているにもかかわらず、18位ウェストハムとはわずか3ポイント差。危険水域が間近に迫ってきた。

残り9試合のなかにはリーズ、サウサンプトン、エヴァートン、ウォルヴァーハンプトン、ウェストハム、ボーンマス、フォレスト。トッテナムとフラムを除くと、残留争いを繰り広げるライヴァルとの対戦が数多く含まれるだけに、心機一転が必要だった。明確な戦略がみえてこないヴィエラは、上層部から限界と判断されたのではないだろうか。

さて、新監督に就任したロイ・ホジソンは百戦錬磨である。75歳235日での監督就任は、もちろんプレミアリーグ最年長記録だ。本来なら週末は、孫と一緒にフットボールを楽しむ齢を迎えながら、古巣の一大事に立ち上がった。現場復帰を決意した “75歳の情熱“ には頭を下げるしかない。

17-18シ―ズンの5節から4年間、クリスタルパレスの監督を務め、ホジソンは降格を一度も経験していない。酸いも甘いもかぎ分けた大ベテランが、2000年代に生まれたオリース、リチャーズ、マルコム・エビューイ、シェイク・ドゥクレをどのようにしてコントロールするのか。プレミアリーグ最終盤に、興味深いポイントがまたひとつ加わった。

スコット・パーカー(ボーンマス)、トーマス・トゥヘル(チェルシー)、グレアム・ポッター(ブライトン)、ブルーノ・ラージ(ウォルヴァーハンプトン)、スティーヴン・ジェラード(アストンヴィラ)、ラルフ・ハーゼンヒュットル、ネイサン・ジョーンズ(ともにサウサンプトン)フランク・ランパード(エヴァートン)、ジェシー・マーシュ(リーズ)に続いて、ヴィエラは10人目の監督交代だ。まもなくコンテもトッテナムを去るだろう。

チェルシーに引き抜かれたポッターのみが唯一のポジティヴなケースであり、そのほか10名はすべて解雇である。十分すぎる時間を与えられた者、監督の器ではなかった者、それぞれの立場は異なる。パーカーは昨年12月に着任したサルクル・ブルッヘをわずか9週間で追われ、トゥヘルは突如としてユリアン・ナーゲルスマンを解任したバイエルン・ミュンヘンの次期監督最有力候補と伝えられている。

「チームに勝利をもたらすことが監督の仕事だが、勝ち負けだけで成否が判断されるのは受け入れがたい」

ジョゼ・モウリーニョのコメントが身に染みる。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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