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サッカー フットサル コラム 2023年3月17日

2026年W杯の大会形式が決定 日本代表の目標「ベスト8」の意味も変わる

後藤健生コラム by 後藤 健生
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長く16カ国参加で行われていたワールドカップだったが、1982年のスペイン大会から1994年のアメリカ大会までの4大会では参加国数は「24」とされ、1998年のフランス大会から「32」に拡大された。

日本が初めてワールドカップに出場したのは、その1998年大会だった(チーム数拡大の恩恵を受けてアジア枠が3か国に拡大したため出場できた)から、多くの日本のサッカー・ファンは24カ国時代を知らないことだろう。だが、僕は覚えている。それは、かなり複雑で、また分かりにくい大会だった。

まず、グループリーグの3位チーム同士を比較するのはかなり無理な作業になってしまう。3位に入ったチームは、その後全グループの順位が決まるまで何日も待たされることもある。他グループの最下位決定戦が重要な意味を持ったりもする。

また、同組の国同士が決勝トーナメントで早期に再び顔を合わせないように、複雑な組み合わせ表があって、勝ち抜きチームがすべて決まってからトーナメント表が決まるので、ラウンド32の対戦相手がなかなか決まらないこともある(1982年大会から1994年大会の頃を知っているみなさんは、当時を思い出してほしい)。

とにかく、大会全体の流れがよく分からなくなってしまうのだ。

分かりやすさから言ったら「2の倍数」がいちばんだ。できれば、オリンピックの男子サッカー競技と同じような16チーム参加が好ましい。4グループだけだから、全体の流れを見渡すことができるし、ノックアウト方式は準々決勝からなので、PK戦に勝負が委ねられることも少なくなる。

FIFAがどうしても(収益拡大のために)参加国数を増やしたかったのなら、いっそのこと「48」ではなく、「2の倍数」である「64」にすべきだったのではないだろうか。

グループリーグで“消化試合”を減らす方法も考えるべきだ。

そのためには、ノックアウト・ステージでもグループでの順位を反映させるべきだ。ノックアウト・ステージで引き分けに終わった場合、PK戦でなくグループリーグでの順位によって勝ち抜けチームを決める。たとえば、日本とクロアチアがラウンド16で引き分けに終わった場合、グループリーグ首位通過の日本の勝ち抜けとするのだ。

カタール大会ではノックアウト・ステージの全16試合中5試合が延長に入ったが、延長戦でゴールが決まったのは決勝戦のみ。他の試合では、延長に入ると両チームともにリスクを冒すことを嫌い、その結果、延長戦は退屈なものになってしまうことが多かった。グループ上位チームの優位があれば、下位チームは延長ではリスクを負って攻撃せざるを得なくなる。そして、グループリーグの順位が重要ということになれば、当然“消化試合”も減らすことができるはずなのであるが……。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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