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サッカー フットサル コラム 2023年3月3日

ライスの置き土産は残留か、あるいはバッドエンドなのか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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デクラン・ライス

ウェストハムを去る公算はかなり大きいデクラン・ライス

本稿執筆時点で降格圏とはわずか2ポイント差。ロンドンの古豪ウェストハムが苦しんでいる。

不振の原因が得点力不足であることは明らかだ。23ゴールはプレミアリーグ・ワースト7位。昨シーズンは6試合しかなかった完封負けをすでに10回も喫している。

直近3シーズン連続で二けたを決めていたミカエル・アントニオは3ゴール、ジャロッド・ボーウェンも昨シーズン比マイナス8の4ゴール。周囲の期待に応えられていない。

さらに、ジャンルカ・スカマッカに至ってはまだ1ゴールだ。この夏、イタリアのサッスオーロからやって来たストライカーは、序盤戦でシュートがクロスバーやボストに嫌われたり、相手GKの好守に阻まれたりしている間に波をつかみ損ね、極度のスランプに陥っている。

29失点はリーグでもトップ7に位置する上々の出来で、GKウカシュ・ファビアンスキ、DFナイエフ・アゲルド、ウラジミール・ツォウファルを軸とする守備陣は相変わらず安定している。したがって攻撃陣が奮起し、危険水域から脱出するしかない。

さて、残留が置き土産になるのか、あるいは降格というバッドエンドを迎えるのか。デクラン・ライスが今シーズン限りでウェストハムを去る公算はかなり大きい。

契約更新交渉を何度となく断り、常日頃から「チャンピオンズリーグでプレーしたい。優勝トロフィーを掲げたい」と公言しているだけに、ウェストハムも引き留める手段を持たない。

では、どのクラブに移籍するのだろうか。

ライスが生まれ育ったロンドンに愛着を抱いていること、攻撃的なフットボールを志向していることから、アーセナルが最有力といわれている。マーティン・ウーデゴーア、トーマス・パーティ、ジョルジーニョなどと構成する中盤は、実に実に魅力的だ

また、中盤の若返りを図るリヴァプールとマンチェスター・シティも総合力に秀でたMFをリストアップし、なんとレアル・マドリーがキリアン・エンバッペ(パリ・サンジェルマン)を獲得するために準備していた大金を、ジュード・ベリンガム(ドルトムント)とのダブルでつぎ込むとの噂まで飛び交いはじめた。

ウェストハムのデイヴィッド・モイーズ監督は、「デクランが欲しいのなら1億5000万ポンド(約240億円)が必要だ」と強気だが、現行の契約が来年6月で切れる事実をふまえると、8500万ポンド(約136億円)前後で折り合いはつくだろう。なによりライスが移籍を強く希望しているため、マネーゲームの長期化だけは避けるべきだ。

「デクランの希望はよくわかっているつもりだ。彼のレヴェルであればステップアップを目論むのは当然だ。邪魔だてはしない」

長きにわたりウェストハムのキャプテンを務め、今シーズンからスポーツディレクターに就任したマーク・ノーブルも、ライスの意向を尊重している。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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