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サッカー フットサル コラム 2023年2月28日

バレンシアに敗れたシルバ不在のソシエダ、失点シーンの分析で見えてくるデメリット

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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[4-4-2]にしてはオヤルサバルが左サイドに張り付き過ぎて左FWとして機能していないし、セルロートも右FWというよりもCFとして振る舞っているようにも見えた。よって[4-3-3]の可変にも見えたのだが、久保がトップ下ならば再三、左に流れることをチームが許容していることも理解できる。

ここからは久保が[4-4-2]、ダイヤモンド型の頂点、つまりトップ下だったと仮定して、久保トップ下の問題点を指摘しておきたい。

あの失点シーンでトップ下久保はなぜ左に流れたのか? 言うまでもなく得意技のドリブルを出すためだ。

トップ下は「司令塔」と呼ばれる。長短のパスを操ることで周りを動かすからだ。
例えば、シルバであれば得意技はパスだから司令塔らしく振る舞える。左から崩そうとしても彼自身は左へ動くことなく、左へパスを送り込めばいい。

だが、久保は違う。得意技はドリブルだから左から崩そうとすれば彼自身が左へ動かないといけない。で、動けば守備に穴を開ける可能性は常にある。

加えて、ドリブラー(久保)はボールロストの当事者になり易く、ロスト後のプレスでは背走しないといけないからファーストプレスには間に合わない。対して、パサー(シルバ)がパスミスをしたとしても前へのパスであれば、ロスト地点に真っ先に駆け付けることができる。

まとめれば、トップ下のパサーはチームの陣形を崩す危険性が低く、ロスト後のリカバリーもし易い。久保のようなドリブラーがトップ下になると陣形を崩す危険性が高く、自分ではリカバリーも難しい。

何度も書いてきた通り、ソシエダの[4-4-2]中盤ダイヤモンド型のトップ下を務められるのは、シルバしかいない。彼不在なら何か手を打たないといけなくて、それが「久保主導の可変システム」とか「久保トップ下」だと思うが、いずれの理由にせよ、久保が左に流れて右サイドを空けるのはメリットよりもデメリットの方が大きい。

シルバの復帰は3月の予定だが、今日(2月27日)現在、まだ全体練習には合流していない。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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