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サッカー フットサル コラム 2023年1月16日

満員の観客が生んだ熱い展開 立川が名古屋を破ったFリーグ第19節の熱戦

後藤健生コラム by 後藤 健生
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その後は、ボールの所有権を巡って、激しいぶつかり合いが展開されてゲームは一気に白熱。一進一退の激しい攻防で満員のスタンドにも熱気が伝わり、それがアリーナの中にも反映してさらに激しさが増していく。

そして、27分56秒、ピッチ上のファウルを巡って、両チームベンチ同士が小競り合いを展開した。ベンチの選手スタッフが互いに罵り合い、慌てて審判団が割って入る。そして、ベンチにいた名古屋の中心選手アルトゥール・オリヴェイラと立川アスレの比嘉リカルド監督にイエローカードが示される。

名古屋のフエンテス監督もカードは示されなかったにしても明らかに激高していた。

ベンチの監督は、選手の士気を高めるために意識的にこうした行動をとることもあるが、フエンテス監督野表情を見ると、意識的な行動というよりも本当に興奮していたように見えた。本当なら、選手の気持ちを落ち着かせ行動をとるタイミングだったように思うのだが……。

だが、実際にはベンチ同士の激しい諍いがプレーをさらに激しくしてしまった。試合再開直後の28分03秒。名古屋のガブリエル・ペネジオが相手を背後からチャージして反則を取られると判定に対する異議を繰り返し、相次いで2枚のイエローカードを提示されて退場となってしまう。

フットサルでは、退場者が出ると2分間フィールドプレーヤー3人で戦わなければならなくなる。立川にとっては1人多いパワープレーとなるのだ。

そして、立川はこのチャンスを逃がさず、29分46秒に皆本が上村充哉とのワンツーからシュートを決めて勝ち越し点を奪った。

こうして、名古屋がリードを許して1点を追いかけるという、Fリーグではあまり見られない展開になる。

33分25秒に立川がカウンターから新井裕生が決めて2点差とすると名古屋はGKの篠田龍馬を上げてフィールドプレーヤー5人を並べるパワープレーを発動。しかし、39分19秒にボールを奪った立川の酒井遼太郎がGKのいない無人のゴールにボールを蹴り込んで、試合は4対1で立川の勝利に終わった。

勝負の転換点は、明らかにあのガブリエル・ペネジオの退場だった。そして、それは選手の気持ちを煽ってしまったベンチ同士の小競り合いが影響していた。さらに言えば、選手やベンチのスタッフを熱くし過ぎたのは満員のスタンドの影響だったかもしれない。

小競り合いや退場劇はけっして褒められることではない。

が、しかし、こうした熱い試合を展開することこそがFリーグ人気を高め、多くの観客を動員するための唯一の方法だろう。

満員の観客と選手たちの熱いプレーが交錯した一戦だった。第19節ではプレーオフ進出を懸けて戦っている上位陣がそろって勝利。Fリーグの熱い戦いはさらに続いていく。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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