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サッカー フットサル コラム 2022年11月26日

政治に翻弄されるワールドカップ カタールの人権問題とは何なのか?

後藤健生コラム by 後藤 健生
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もっとも、イランのスカーフ問題やロシアのウクライナ侵略はサッカーとは関わりのない問題がたまたま2022年に発生したため、ワールドカップに影響を及ぼしただけだ。

だが、もう一つの問題、つまりカタールにおける「人権問題」は、まさにワールドカップの意義、あるいはFIFAという組織の倫理性が問われる問題と言っていい。

人口約300万人の中東の小国カタールは形式的には立憲君主制だが、実際には19世紀半ば以降「首長」であるサーニー家の世襲による君主制独裁国家である。20世紀半ば以降は豊富な石油と天然ガスの産出を背景に、いわゆるオイルマネーで急激に発展・近代化したが、政治的には独裁が続いている。

産油国はどこでもそうだが、将来、石油や天然ガスの資源が枯渇した後にどのように生き残っていくかという課題がある。そのため、たとえばヨーロッパ、アジア、アフリカのちょうど中間にある地理的な優位を生かして巨大なハブ空港を作って航空産業の育成に力を入れたりしているのだ。UAEのアブダビに本拠を置くエティハド航空やドバイのエミレーツ。そして、カタール航空などは欧州サッカー界のメガクラブのスポンサーとなっている。また、ツール・ド・フランスなどサイクルロードレースにも「UAE」や「バーレーン」といったプロチームが出場しているのでスポーツ・ファンにはお馴染みだろう。

そして、とくにスポーツに力を入れているのがカタールである。それによって、自国の存在感を世界にアピールしようとしているのだ。

カタールは2019年には世界陸上、そして2022年にはFIFAワールドカップと世界的なスポーツイベントを開催。2021年にはF1のグランプリも開催している。また、2016年のオリンピック招致も狙っていたのだが、オリンピックはアメリカのテレビ局の意向で「8月開催」を動かせなかったので断念した経緯もある。スポーツ施設の開発にも力を入れており、今回のワールドカップでも9万人近くを収容するルサイル・スタジアムなど8つの大規模スタジアムを用意した。

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