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サッカー フットサル コラム 2022年11月2日

かつてイタリアを支配し、CLを二度も制したユベントスは・・・

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベンフィカに敗れたユヴェントス

ベンフィカに敗れたユヴェントス

ユベントスがグループステージを突破できなかった。

現地時間10月25日に行われたベンフィカとのアウェーゲームで、カルチョイタリアーノが世界に誇る名門は3-4で敗れ、チャンピオンズリーグから姿を消した。

「攻守ともにアイデアがない。ビアンコネーリ(ユベントスの愛称。イタリア語で白と黒)は揺るぎないポリシーで運営されてきたが、いまや一介のクラブだ。かつてイタリアを支配し、CLを二度も制した当時の面影はどこにもない。トップに返り咲くためには、革命的な変化が必要だ」

1990年代にACミランの監督を務め、ユベントスと激しいつばぜり合いを演じたアリーゴ・サッキが鋭く、どこか悲しそうに指摘していたという。

マタイス・デ・リフト、ジョルジオ・キエッリーニ、アーロン・ラムジー、ロドリゴ・ペンタンクール、アルバロ・モラタ、パウロ・ディバラ、フェデリコ・ベルナルデスキ、デヤン・クルゼフスキ、そしてクリスチャーノ・ロナウドなど、この一年で多くの選手がユベントスから去っていった。

代わってポール・ポグバとアンヘル・ディマリア、ドゥシャン・ヴラホヴィッチ、レアンドロ・パレデス、さらにブレーメルといった即戦力候補を獲得している。しかし、ポグバとディマリアが負傷で戦線離脱。

さらに、昨シーズン21節のASローマ戦で左膝十字靭帯断裂の重傷を負ったフェデリコ・キーエーザも欠場中とはいえ、新戦力と現有勢力の連携がなかなか整わない。CLだけではなく、12節終了時点のセリエAでも首位ナポリと10ポイント差の7位。納得できないポジションだ。

当然、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督の責任問題が浮上する。イタリアの人気スポーツ紙『La Gazzetta Dello Sport』は、「今シーズン、無冠で終わった場合は、アントニオ・コンテ(現トッテナム)が新監督の有力候補」と論じていた。

あくまでもイタリアの報道だ。トッテナムとの契約は2023年6月の満了を迎えるが、ノースロンドンからコンテ退任のニュースは聞こえてこない。一年間の延長オプションの行使も含め、契約交渉の開始は決して焦らず──が、トッテナムの思惑である。

また、ユベントスのアンドレア・アニェッリ会長が、コンテをふたたび迎え入れるのだろうか。2014年、両者は強化をめぐって対立。コンテはアニェッリを激しく批判しながら、ビアンコネーリに別れを告げた。

さらに経済的な問題も発生する。現在、コンテの年俸は1400万ユーロ(約21億円)、アッレーグリは900万ユーロ(約13億円)で、解任なら違約金も発生する。CL敗退は大きすぎるダメージだ。放映権料やボーナスなど、ユベントスの目論見は大きく外れた。

在野のマウリシオ・ポチェッティーノはトッテナムで、トーマス・トゥヘルもチェルシーで高収入を得ており、両者とも パリ・サンジェルマンの監督を経験している。金銭面で折り合いがつくだろうか。ユベントスが狙っていたとされるロベルト・デゼルビは、世界的には無名に等しいブライトンの新監督に就任した

サッキが語ったように、ビアンコネーリには革命的な変化が必要だ。伝統と格式だけで名監督が招聘できるほど、近ごろのフットボール界は優しくない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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