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最前線でのターゲットとして、大迫は素晴らしいパフォーマンスを示した。
この試合、前半は明らかに川崎のリズムで進んだ。川崎の速いパスの展開に神戸は守備に終われた。パスを受ける位置や角度が良いので川崎のパスは非常にスムースだった。また、川崎の前線の選手たちの激しいプレッシャーにも神戸は苦しんだ。
こうして、川崎は立ち上がりから多くのチャンスを作り、20分には家長のクロスをメルシーニョが受けて、バウンドしたところをうまく押し込んで先制した。
昨年までの強い川崎だったら、ここで畳みかけて2点目、3点目を奪って勝負を決めることができたのだろうが、今年の川崎はなかなか2点目が取れない。そして、川崎の選手たち自身もそのまま攻めても簡単には2点目が取れないことを自覚しているので、リードするとどうしてもゲームをコントロールしたくなってしまう。
前半の20分に先制した後、しばらくはパスの回り方がさらに良くなったかに見えたが、そのうちに川崎の攻撃からは鋭さが消えていった。
そして、前半のうちから神戸はチャンスを作り始め、そして、後半開始とともに圧力をさらに強めて、FKからの同点ゴールにつなげたのだ。
当然、川崎の方がボールを持つ時間は長くなるので、対戦相手は川崎の前線の選手にスペースを与えないために攻撃に出ていくタイミングを慎重に選ぶ必要がある。
そんな中で、神戸がどのように攻撃の形を作っていったのか。そこに、大迫の良さを見出すことができる。
劣勢だった神戸が初めてチャンスらしいチャンスを作ったのは、1点を失った後の23分のことだった。GKの坪井湧也からのボールを受けた汰木康也が大迫に預け、大迫がタメを作って、右サイドから走り込んだ山口蛍に合わせようとした場面だ。
大迫が前線でボールを持ったことによって、山口が走り込む時間ができた。
そして、その後も、31分、32分、33分と神戸はチャンスをつかみかけたが、この時もすべて大迫が(パスの受け手として、あるいはパスの出し手として)絡んでいた。
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