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ブレントフォード戦で失点後にうつくむ選手たち
マンチェスター・ユナイテッドのエリク・テンハフ監督は、アヤックスを率いていた当時から魅力的なポゼッション・フットボールを展開していた。
しかし、ロングボールとハイプレス、最終ラインの裏をとる動きに脆く、フレンキー・デヨング(現バルセロナ)やマタイス・デリフト(現バイエルン)の技量によって最小限のダメージに留めていた。
プレミアリーグのレベルはエールディビジの数段上だ。アヤックスのスタイルが通用するはずがなく、補強もテンハフが思ったとおりには進んでいない。現有勢力のフレッジとスコット・マクトミネイはパスをつなげず、人とボールにつられすぎる。ダビド・デヘアとハリー・マグワイアの自信喪失は明らかだ。
●1-2 ブライトン
●0-4 ブレントフォード
マルク・ククレジャがチェルシーに、イヴ・ビスマがトッテナムに去り、ノッティンガム・フォレストに移籍濃厚のニール・モペイも先発から漏れたブライトンに圧倒された。
ブレントフォード戦は35分までに4回もゴールを許し、なおかつ走行距離で13・8km下まわる95・6km。スプリント回数も25回の後れをとる65回。
また、ブライトン戦の1点はアレックス・マクアリスターのオウンゴールだ。ユナイテッドの選手たちはまだ1点も決めていない。
開幕2試合をふまえると、守備の再構築を急がなくてはならない。パニックに陥っているデヘアとマグワイアには、精神的リセットの時間を与えた方がいい。
プレスをかけられた途端にオドオドするデヘアは、あまりにも不安定だ。マグアワイアはキャプテンの責任を放棄したのか、ブレントフォード戦でミスを犯したデヘアを慰めもせず、激励もしなかった。一度でいいからリーダーらしく振る舞えないものだろうか。
さらに、精彩を欠くマーカス・ラシュフォードやルーク・ショーではなく、アレハンドロ・ガルナチョやタイレル・マラシアといった期待の新戦力を抜擢し、停滞しているムードを一新するプランも検討すべきだ
それでも中盤センターの人手不足は解消できず、フレッジとマクトミネイはボールロストが多く、ポジショニングも稚拙だ。クリスチャン・エリクセンのワンアンカーは、ブライトン戦でもブレントフォード戦でも徹底的に狙われた。
クラブ間で合意に至ったアドリアン・ラビオ(ユベントス)に、ブルーノ・フェルナンデスと同等の週給20万ポンド(約3300万円)を要求されて交渉決裂。慌ててレアル・マドリーのカゼミーロ、ボルトンのモイセス・カイセドにオファーを提示したとの報道もあるが、中盤センターの人手不足は何年も前から明らかだった。
他クラブの迅速な補強に比べると、ユナイテッドは不手際が非常に目立つ。今夏はフレンキー・デヨング(バルセロナ)にこだわりすぎ、時間を無駄にしている。
現地時間8月22日には、オールド・トラッフォードにリヴァプールがやって来る。昨シーズンはホームで0-5、アウェーで0-4。レベル差を思い知らされた。今回も試合内容次第では痛烈なブーイングが四方八方から浴びせられるだろう。
開幕2試合とも1点のビハインドを許しただけで浮き足立っていた。だれよりも走るとか、肉弾戦では絶対に負けねえとか、せめて、闘争本能だけは見せやがれっ!
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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