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サッカー フットサル コラム 2022年5月24日

残留監督の資質

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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選手たちは浮足立ち、意味のないロングボールを放り込み始めた。信じられないことに、この若い監督には得点を取りに行くプランBがなかった。ケガでプレーできない選手がいたのに交代まで5分もかかり、入ったのはFW、守備的MF、CBという面々だった。守備的MFとCBは長身なのでロングボールのターゲットにするためだった。

この間、カランカの両手はポケットに突っ込まれたままだった。

生きるか死ぬかの戦いに臨み、このままだと十数分後に確実に死ぬチームの指揮官のボディランゲージとしては、信じられないものだ。ダンディでハンサムでクールなのがスタイルなのだろうが、自分を捨てられないのは監督として熱量が少な過ぎやしないか?

雨の中、傘を差して指揮した元イングランド代表監督がかつていた。

どんな豪雨でも戦いの場に留まり、生死を伴にするのが指揮官ではないか。選手がびしょ濡れなのに傘を差せる心境がわからない。

監督のメッセージは重要である。

修羅場であればあるほど解決策を求めて、選手は監督を探す。そして、メッセージは言葉だけではなく、表情や姿勢、ジェスチャーからも伝わる。

最終的には、残留を確信させ得たベテラン監督がいる2チームが残った。極めて妥当なことだった。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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