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サッカー フットサル コラム 2022年5月5日

前人未到のクアドルプルに向けリヴァプールに死角なし!

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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フィルジル・ファン・ダイク

フィルジル・ファン・ダイク

チャンピオンズリーグって怖いな、とつくづく思う。なにしろ、あのリヴァプールが、準決勝第一戦で奪った2点のリードを41分で吐き出してしまった。

3分、ビジャレアルのブライエ・ディアに先行を許した。41分にはフランシス・コクランにヘディングを決められた。今シーズン、プレミアリーグの34試合で22点(1試合平均0・65)しか奪われていない堅陣がぐらついている。

0-2になったとき、フィルジル・ファン・ダイクは「もっと強く当たれ!」とも言わんばかりの仕草でチームを鼓舞したが、闘う意識がほんの少しだけ欠けていたのかもしれない。

しかし、横綱相撲とでもいうべきか、後半からがリヴァプールの見せ場。ユルゲン・クロップ監督と選手たちはさすがの修正力を見せつけた。

ディオゴ・ジョタに代えてルイス・ディアスを投入。彼の仕掛けは奏功し、マーカーのファン・フォイスを圧倒した。

トレント・アレクサンダー=アーノルドとアンドリュー・ロバートソンの両サイドバックは、前半に比べるとピッチの内側でプレー。中盤で数的優位を創る。

こうしたプラン変更で息を吹き返したリヴァプールは、ほぼほぼビジャレアル陣内でパフォーマンスを続けた。

62分、何度も何度もセカンドボールを回収し、ファビーニョがボックス内から豪快に突き刺す。5分後にはアレクサンダー=アーノルドが左足でピンポイントクロス。L・ディアスがバックステップを踏みながらヘディングを決めた。

さらに74分、サディオ・マネがビジャレアルのハイライン裏に進入。飛び出してきたGKヘロニモ・ルジ、レッドカード覚悟の危険なタックルを試みたフォイスもあっさりかわし、ビジャレアルの息の根を完全に止めた。

わずか12分の鮮やかすぎる逆転劇だ。試合開始から飛ばしたビジャレアルの足色が極端に鈍ったとはいえ、2点のアドバンテージを41分で失っても焦らず騒がず、難なく対応してしまうのだから、リヴァプールの修正力と完成度には驚くしかない。

スティーヴン・ジェラードがスリップしたり、ルイス・スアレスがバルセロナに移籍したり、混乱に混乱が続いていた名門にクロップ監督が就任したのは2015年10月だった。

「3シーズンに一度くらいは優勝できるチームにしてみせる」

初の記者会見で豪語したドイツ人の情熱家を、底意地の悪いイングランド・メディアは疑問視した。しかし、18-19シーズン以降はつねに優勝争いの中心である。ジョエル・マティプとファン・ダイクが負傷のために長期の戦線離脱を余儀なくされた昨シーズンでさえ、最終10試合は8勝2分。CL出場権だけは確保した。

そして今シーズンはすでにリーグカップを制し、CLとFAカップは決勝進出。プレミアリーグでも首位マンチェスター・シティに1ポイント差まで迫っている。

デイヴィッド・ベッカム、ライアン・ギグス、ポール・スコールズといった達人を擁した98-99シーズンのマンチェスター・ユナイテッドも、CL、プレミアリーグ、FAカップのトレブルだった。

イングランド・フットボールでは前人未到のクアドルプル(四冠)に向け、リヴァプールに死角はない。偉業達成なるか!?

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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