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サッカー フットサル コラム 2022年3月10日

劇的な結末となったFリーグ入れ替え戦。敗れた「しながわシティ」は全日本選手権で今年も名古屋に挑戦?

後藤健生コラム by 後藤 健生
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長野は、後半の開始とともにGKを引き揚げてフィールドプレーヤーを5人並べるパワープレ−に出た。“一か八か”の勝負だった。ボールを奪われて、無人のゴールに蹴り込まれたら、その時点で万事休すである。

フィールドプレーヤーが1人多い長野がパスを回し、「しながわ」はゴール前でゾーンディフェンスという展開が続いた。そして、後半もほぼ半分が経過しようという28分22秒に上林快人がゴール右からクリーンシュートを決めると、長野は33分05秒にも田口友也のゴールで同点に追いつき、そして、35分12秒、上林の遠目からのシュート性のボールにキャプテンの青山竜也が合わせて、長野が3連続得点でついに逆転に成功した。

試合はそのまま終了し、両者は1勝1敗、2試合合計得点で4対4とまったく互角の結果となったため、規定により長野のF1残留が決まったのだ。

後半の残り時間も少なくなった時間帯での連続3ゴールという非常に劇的な結末だった。

ボールゲームではどんな競技でも“試合の流れ”というものが非常に重要になるが、とくにフットサルの場合は11人制のサッカーよりも流れが劇的に変わることが多い。そんなフットサルらしさが出た素晴らしい終盤戦での攻防だった。これほど劇的な逆転劇というのは、どんなカテゴリーの試合でもなかなか見られないのではないだろうか。

「しながわ」の選手たちは、タイムアップの笛とともにコート上に崩れ落ちた。そして、観戦していた僕自身も(当事者ではないにもかかわらず)しばらくは呆然と立ち尽くしてしまった。

さて、そんな劇的な入れ替え戦からわずか1週間で、しながわシティは「前回優勝者」として全日本選手権に臨むことになる。

F1昇格を逃した「しながわ」にとっては、テクニカルなパスをつなぐスタイルのフットサルを全国のファンに披露する場となる。

だが、「しながわ」は初戦がF1で8位のフウガドールすみだ。そして、「すみだ」に勝利したとしても、2回戦ではおそらく名古屋オーシャンズとの対戦となるのだ。名古屋にとっても、昨年の大会のリベンジの試合となるわけで、しながわシティにとっては非常に厳しいスケジュールとなる。

いや、それよりも今シーズンの最大の目標だったF1昇格を、あのようなショッキングな形で逃してしまった「しながわ」は、その精神的なダメージを回復できるのだろうか?

全日本選手権でも当然、順当にいけばF1勢の戦いが予想される。リーグ戦準優勝の湘南ベルマーレや、リーグ戦終盤に調子を上げて3位に入り、若手の有望選手が揃うペスカドーラ町田が名古屋に挑戦する形になるのか? それとも、しながわシティが昨年に続いて旋風を巻き起こすのか……。

フットサル・シーズンの最後を飾る大会に注目したい。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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