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サッカー フットサル コラム 2022年2月16日

四冠の可能性を残すチェルシーに強行日程が襲いかかる

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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クラブワールドカップで優勝したチェルシー

クラブワールドカップで優勝したチェルシー

チェルシーは、まだ “クアドルプル”(四冠)の可能性を残している。

パルメイラスを破って獲得したクラブワールドカップ(以下CWC)に続き、チャンピオンズリーグ、FAカップ、リーグカップを狙えるぜい沢な立ち位置だ。

足首の負傷と新型コロナウィルス感染でロメル・ルカクのコンディションが一向に上向かず、エンゴロ・カンテも勤続疲労が否めない。ベン・チルウェルは右膝十字靭帯断裂で今シーズン中には復帰できない。

それでも四冠をターゲットにできるのだから、いやはや大したものだ。しかし……。

2月19日:クリスタルパレス(A)
2月22日:リール(H)
2月27日:リヴァプール(ウェンブリー)
3月2日:ルートン(A)
3月5日:バーンリー(A)
3月13日:ニューカッスル(H)
3月16日:リール(A)
3月19日:ノリッジ(A)

この一か月も8試合の強行日程だ。リヴァプールとのリーグカップ決勝は大一番であり、CLのラウンド16で対戦するリールも要注意の強豪だ。また、そのほか4試合のプレミアリーグは一見すると与しやすくも映るものの、バーンリーとニューカッスル、ノリッジには残留という特別なモチベーションがある。イージーな試合はひとつもない。

しかも、中二~四日で組まれている。バーンリー戦とニューカッスル戦の間に一週間の余裕があるだけだ。CWCや新型コロナウィルスの影響で延期されたアーセナル戦、あるいはレスター戦が、この間にスケジューリングされるかもしれない。

2月末日でリーグカップが終了した後も、チェルシーの厳しすぎる日程は延々と続いていく。CL連覇とプレミアリーグのトップ4を優先し、FAカップは若手と中堅を軸に据える公算が大きいが、四冠を狙うためには軽視もできない。

やはりチェルシーはコンディショニングがキーポイントだ。チアゴ・シウヴァ、マルコス・アロンソ、セサル・アスピリクエタ、ジョルジーニョ、カンテといったベテランの負担はできるかぎり軽くしたい。CWC決勝で足首を痛めたメイソン・マウントも気がかりだ。

直近5試合のプレミアリーグは1勝3分1敗。首位マンチェスター・シティとは16ポイント、2位リヴァプールとも7ポイント差に拡がった。

6位のアーセナルとは8ポイント差があり、ミケル・アルテタ監督就任後の二年二か月で14枚のレッドカードは物騒だが、チェルシーよりも消化試合がふたつも少ない。

さらに、今シーズンはプレミアリーグ・オンリーで残り17試合。チェルシーはCLやFAカップで勝ち進むと、最大で24試合。CL出場権争いのライバルに、アーセナルが急浮上してきた。

もちろん、マンチェスター・ユナイテッドの底力は侮れず、ウェストハムはコンディションがすこぶる良い。

四冠の可能性を残しつつ、チェルシーはプレミアリーグのトップ4をめぐる熾烈な争いに巻き込まれつつある。ターゲットを絞るべきだろうか。強行日程を克服する妙薬は、一日でも多い休息だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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