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サッカー フットサル コラム 2022年2月15日

主要リーグで初導入されたスタッツ「ゴール可能性」の信憑性

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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なんと77.5%!可哀想過ぎる数字である。

空のゴール前へ飛び込んだFWがシュートを外すことはある。当たり損ねて上へ吹かしてクロスバーを超えていくパターンだ。「外す方が珍しい」と笑われ、シーズン後に珍プレー集入りするのが普通である。

が、ビニシウスはスライディングしたのではない。背筋を伸ばしたまま走り込み、軽くボールに合わせた。私の感覚ならゴール可能性99%である。逆に、どうやって10本中2本を外すのか見てみたい。

多分、選手の姿勢までは計算外なのだろう。あるいは、昨季までのゴールの枠に飛ばないビニシウスの姿が反映されているのか。いずれにせよ、見ている者の実感とは合わない。

それと、このゴール可能性、選手にとってはありがたくないスタッツでもある。

楽勝に見えるゴールで成功率8割弱なんて表示されたら、逆に恥ずかしい。10本中2本は外すシュートをよく決めた、と褒められてもビニシウスはうれしいどころか怒るだろう。

「ゴール可能性低=難易度高=本人の決定力低」である。精度を上げるために選手の力量も勘案したことで、逆に彼らのプライドを傷つけかねないスタッツになってしまっているのだ。

先日のバルセロナ対アトレティコ・マドリーで、ジョルディ・アルバが素晴らしいゴラッソを決めた。

このボレーシュートのゴール可能性が12.1%だった。ペナルティエリア外から走り込みながら、逆サイドからの真横から来た浮き球を体をフルに捻って撃った。角度がないところにGKが立ち塞がりシュートコースはほとんどない。これが10本に1本以上入るってどういうこと?

アルバのシュートはファーポストを巻くようにしてゴール右上隅に飛び込んだ。ラッキーだったのは、蹴り損ねて脛に当たったことでボールが一度浮いて急速に曲がり落ち、GKの手が届かない唯一のスポットに吸い込まれたことだった。

この再現不可能なゴールが12.1%って言われても、どう評価すればいいのだか……。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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