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サッカー フットサル コラム 2022年1月14日

逆転をめざして闘いつづけるのが “勝負師” コンテの真骨頂だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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アントニオ・コンテ監督(左)

選手と力強く握手するコンテ監督(左)

「インテル・ミラノやユベントス、チェルシーとは違うのだな」

トッテナムのアントニオ・コンテ監督は痛感しているに違いない。彼が指揮した上記3チームに比べると、ノースロンドンの古豪は歴史こそあるがタイトルがない。リーグ優勝はわずか二回。しかも1950-51シーズンと60-61シーズンだ。プレミアリーグがイングランド1部リーグを名乗っていた時代で、ハリー・ケインやソン・フンミンなどの主力はもちろん、コンテが生まれる以前の話である。

ブランド力ではリヴァプールやマンチェスター・ユナイテッドに及ばず、いつの間にかマンチェスター・シティにも差をつけられていた。

いま、コンテは未体験のジレンマに苛まれている。フットボールと真摯に向き合い、戦略・戦術、トレーニング方法も選手に称賛されているとはいえ、優勝戦線から遠く離れた現状には、一抹の寂しさを拭えないはずだ。

しかし、コンテ着任後のトッテナムは5勝3分。プレミアリーグではいまだ無敗だ。コミュニケーション能力に欠けていた前監督ヌーノ・エスピリト・サントに比べると、コンテはなにかと分かりやすい。満足しているのか、怒っているのか、表情からひしひしと伝わってくる。

トレーニングセンターにも活気が戻り、ロッカールームや食事中も笑顔が絶えないという。沈んでいたムードを、コンテはたしかに変えた。

「タイトルを獲るためには是が非でも補強しなくてはならない」

やはり、あきらめていなかった。8戦無敗などでは満足せず、コンテはさらなる補強をダニエル・レヴィ会長に進言したという。首位を走るシティとは20ポイント(1月2日現在)も離れているとはいえ、逆転をめざして可能な限り闘いつづけるのが、“勝負師” コンテの真骨頂だ。

「17日間で6試合をこなす強行日程だ。各ポジションに少なくともふたりはトップレベルが必要だ」

コンテはみずからの意思を記者会見で明かし、レヴィも監督の意思をふまえて動いているようだ。

補強ポイントはケインの負担を軽減するアタッカー、突破力に優れた右ウイングバック、攻撃を司るチャンスメイカー。具体名ではドゥシャン・ヴラホヴィッチ(フィオレンティーナ)、アダマ・トラオレ(ウォルヴァーハンプトン)、クリスティアン・エリクセン(インテル)が挙げられている。

代わってデレ・アリとマット・ドハーティ、タンギ・エンドンベレが構想外となる公算が大きい。コンテはアリの才能を評価していたものの、なかなかトップフォームを取り戻せないため、今回の決断に至ったという。

前述したように、シティとの大差を逆転するのは難しい。しかし、コロナ禍の闘いは想定外のアクシデントが次々に起きている。トッテナムはプレミアリーグ一本に絞れる。コンテはジョゼップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップ、トーマス・トゥヘルにまさるとも劣らない名将だ。

シーズン後半戦のトッテナムは、要注意である。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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