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サッカー フットサル コラム 2021年12月10日

チャビの怒りに無反応ならブラウグラナのユニフォームを脱げ!

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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笑顔のバイエルの選手たちと、うなだれるバルサの選手たち

喜ぶバイエルの選手たちと、うなだれるバルサの選手たち

あのチェルシーが、後半追加タイムに追いつかれるとは!? しかも、2-3で敗れたプレミアリーグ第15節のウェストハム戦に続き、またしても3失点。チャンピオンズリーグのゼニト戦に3-3で引き分けたチェルシーはグループ2位となり、他グループを首位で通過した強豪(規定によりプレミアリーグ勢は除く)との対戦を、ラウンド16で余儀なくされる。

ひょっとするとバイエルン・ミュンヘンか!?

そう、バイエルンだ。ブンデスリーガの覇王は今シーズンのCLでも強く、グループステージ最終節ではバルセロナを3-0であっさり片付けている。この結果、カタルーニャの名門はラウンド16に進出できなかった。2000-01シーズン以来、21年ぶりの失態であり、チャビ・エルナンデス新監督をはじめとする面々は、少なからぬショックを受けている。

あまりにも無計画なクラブ経営は、11億7000万ユーロ(約151億円)もの負債を作った。長きにわたるリオネル・メッシ(現パリ・サンジェルマン)への依存で、世代交代のタイミングを失った。ヨハン・クライフのイズムとは正反対に位置するロナルド・クーマンを監督に起用した人選も、大きすぎる過ちだった(10月28日に解任)。

一方、バイエルンは健全経営だ。移籍市場でも無駄な競合を避け、負債とは無縁である。ロベルト・レバンドフスキ、マヌエル・ノイアーのようなベテランを重宝するとともに、レロイ・ザネやダヨ・ウパメカノといった有望な若手の補強に怠りなく、今シーズンは32歳のユリアン・ナーゲルスマン監督をライプツィヒから引き抜いた。長期政権のスタートを世間に印象づける人選といっていいだろう。

バイエルンのすべてが、バルサにはまぶしく映る……。

しかし、このクラブのDNAが色濃く流れ、だれよりもこのクラブを愛するチャビが新監督なのだから、彼と運命をともにする覚悟が上層部には求められている。サポーターも同様だ。試合ごとの結果に一喜一憂せず、少なくとも3年はチャビに託すべきではないだろうか。

「3年も!?」と怒って拳を振り上げる方、絶望感で頭を抱える方もいらっしゃるだろうが、世界のトップランクとバルサの間には大きな差がある。経済力も選手の質も、短期間で詰められるとは考えにくい。

したがって移籍市場も、競合すれば負ける。ドルトムントのアーリング・ハーラン、ユベントスのマタイス・デリフト、ボルシア・メンヒェングラートバッハのデニス・ザッカリアなど、ヨーロッパのメディアがチャビの獲得リストに挙げる選手たちは、いずれもメガクラブのターゲットだ。

こうした状況を踏まえて再建の第一歩に着手するには、やはり周囲がチャビを信頼するしかない。カンテラ―ノを土台とする新チームの構成を、彼に託すしかない。

「バイエルンはすべてにおいてまさっていた。この現実に気づいた選手は何人いるだろうか。バルサを本来あるべき姿に戻すには、多くの努力が必要だ」

バイエルン戦終了後、チャビは不甲斐ない選手たちに感情を爆発させた。はたして、新監督の怒りは届いているだろうか。無反応だとしたら、ブラウグラナ(スペイン語で青とエンジ。バルサのチームカラー)のユニフォームに袖を通す資格はない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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