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森保監督はもともと「スリーバックとフォーバックを使い分けたい」として、フル代表ではフォーバック、オリンピック・チームではスリーバックを多用していたはずなのだが、東京オリンピックでは6試合を通して4−2−3−1を貫き通した。
ワールドカップ本大会では強豪相手の戦いが続くので、やはりシステム変更も含めてもっと思い切って戦術的な変化を駆使することが必要になってくる。だから、予選を勝ち抜いた段階では、「本大会も森保監督でいいのか?」という議論をすべきだと思う。
しかし、予選の段階で監督交代を考える必要はない。第一、それはあまりにも危険なギャンブルだ。
各試合の前に2週間、いや1週間でもいいから代表合宿を組めるのなら、監督交代もありかと思う。
1997年のアメリカ・ワールドカップ予選で加茂周監督が更迭され、岡田武史監督が就任した時には、遠征中のウズベキスタンで5日間のトレーニングができたし、帰国してからは次のUAE戦まで2週間あったので、北澤豪をチームに加えて合宿をしてチームを改造することができた。当時は、全員が「国内組」だったからだ。
だが、今はそうはいかない。各国のクラブでプレーしている選手たちは、週末の試合を終えてから試合会場(今回はサウジアラビアのジェッダ)に駆け付けて2日ほどの調整を経て試合をしてから次の会場に移動。2戦目が終われば、すぐにチームは解散となる。2022年3月に最終予選が終了するまでは、そういった日程の繰り返しなのだ。
つまり、もし監督が交代しても、まったく準備期間が取れないのだ。
だから、「監督交代」というのは大きなギャンブルでしかないのだ。
もちろん、ギャンブルが必要な時もある。
たとえば、2018年のロシア・ワールドカップのグループリーグ最後のポーランド戦で、当時の西野朗監督は大きなギャンブルに打って出た。まだ、グループリーグ突破が決まったわけでもないのに、長谷部誠キャプテンをはじめ何人かの主力をベンチに置いてスタートしたのだ。決勝トーナメントに進んだ場合に、そこで戦う力を残したかったのだ。
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