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サッカー フットサル コラム 2021年10月4日

アジア予選は慎重な上にも慎重に戦え。監督交代は必要でもないし、あまりに危険なギャンブル

後藤健生コラム by 後藤 健生
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そして、ポーランドに1点を先制された後、西野監督は「0対1のまま試合を終わらせる」というさらに危険なギャンブルをした。フェアプレーポイント差でセネガルを上回って2位に入るためだ。

結局、西野監督はギャンブルに勝って、日本は決勝トーナメントに進出。力を温存しておいたおかげで強豪ベルギー相手に激しい点の取り合いを演じて世界を驚かせたのだ。

日本がワールドカップ本大会で上位に進むためには、どこかでギャンブルが必要となる。だが、本当の優勝候補の強豪国はそんなギャンブルは行わない。主力を温存し、80%程度の力で余力を残しながらグループリーグを慎重に勝ち抜き、最後の本当の勝負に臨むのだ。

アジアでは、逆に日本が本命の立場なのだ。だから、日本はアジア予選ではギャンブルをすべきではない。ギャンブルをしなければならないのは、むしろ日本と対戦する相手チームの方なのだ。

森保監督というのは慎重な人物だ。どんな時でも、これまでともに戦ってきたメンバーで、これまで積み上げてきたもの(だけ)を使って戦うはずだ。急にメンバーを入れ替えたり、新しい戦術を取り入れるような冒険は犯さない。

「監督交代論者」たちはその辺が不満なのだろうし、僕も「ワールドカップ本大会も森保監督でいいのか?」と疑問を持つ。だが、アジア予選は慎重に戦った方が正解だ。実力的に上回る日本がギャンブルをする必要はない。

森保監督に対しては「もっと若い選手。オリンピック世代を起用すべき」という批判もある。だが、まったく代表経験のない選手を入れるのもギャンブルだ。なにしろ、合同トレーニングの時間がないのだから。

そもそも、今の代表チームには多くの若い力が加わっている。堂安律、久保建英、冨安健洋、田中碧……。オーバーエイジ組を除いても、オリンピック世代の選手たちは十分に戦力になっている。たとえば、2017年にリオデジャネイロ・オリンピック世代の選手がいったい何人フル代表に加わっていただろうか? 同様に、2013年にはロンドン世代は戦力になっていただろうか? それを考えてみれば、今回の代表は若手との融合に成功していることが分かる。森保監督が良いか悪いかではなく、兼任監督方式の成果であろう。

とにかく、アジア予選は現有戦力(30人ほどのラージグループ)を使って、慎重に戦っていけばいい。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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