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東京五輪 サッカー 日本代表
まさに “ゴールドラッシュ” である──。
柔道の大野将平、阿部兄妹、競泳女子で日本人初の二冠に輝いた大橋悠依をはじめ、日本オリンピック代表は7月29日現在で計15個もの金メダルを獲得している。大会の開催に関しては賛否両論が渦を巻き、新型コロナウィルスの感染再拡大も伴って悲観的な指摘もあるが、アスリートの健闘は清々しい。
さて、男子サッカーもベスト8に進出した。
オリンピックの最高成績は1968年メキシコ大会の銅メダルだ。釜本邦茂や杉山隆一、宮本輝紀などを擁し、名将デットマール・クラマーに率いられた53年前のチームだけが表彰台に登っている。以降、イスラエル(当時はアジア枠だった)や韓国、中華人民共和国などに行く手を阻まれ、アジア予選すら突破できないイライラした時代が続いていた。
1996年のアトランタ大会から今回まで、7大会連続で本選に出場しているとはいえ、最高成績は前回のロンドン大会における4位だ。プロが参戦できる現在と、参加資格がアマチュアに限られていた53年前では比較にならないものの、メキシコ大会の銅メダルはなぜか引き合いに出されるケースが多かった。
しかし、TOKYO2020のオリンピック代表は魅力にあふれている。
バルセロナとレアル・マドリーを知る久保建英、マンチェスター・シティの板倉滉(昨シーズンはフローニンゲンにローン)、セリエA屈指のDFとの呼び声高く、市場推定価格が30億円に達しようとしている冨安健洋(ボローニャ)など、ヨーロッパで揉まれている選手が少なくない。
さらにサウサンプトンとサンプドリアで守備の要として奮戦する吉田麻也、9シーズンに渡ってマルセイユの右サイドに堅陣を築き、アフリカ系のFWにフィジカルで一歩も引かなった酒井宏樹、シュツットガルトの新キャプテンに指名された遠藤航と、オーバーエイジの3選手も非常に効いている。
さぁ、準々決勝の相手はニュージーランドだ。累積警告で出場停止となった酒井の穴を埋めるのは冨安か、橋岡大樹か、あるいは旗手怜央か。いずれにせよ、森保一監督とスカウティングチームが入念な研究をもとにした戦略・戦術を操り、最良の結果に導いてくれるものと信じている。
そして準決勝で相まみえるのはスペイン、決勝はブラジルが有力だ。ともに世界の強豪。フットボール大国。相手にとって不足ない。試合を重ねるごとに成長する日本はより研究され、難しい闘いを余儀なくされるが、能動的にも受動的にも対応できることをグループリーグで立証した彼らであれば、68年メキシコ大会をしのぐ最高到達点、そう、金メダルも決して夢ではないはずだ。
アメリカ最大のネットワークを誇る『CBS SPORTS』も絶賛していた。
「どう考えても日本がいちばん強い。議論の余地などない」
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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