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ミーノ・ライオラ
ミーノ・ライオラの演説が始まった。
「アーリング・ハーランは来シーズンもブンデスリーガでプレーするんじゃないかな。ドルトムントの方針は残留と聞いているよ」
「ただし、移籍市場はなにが起きるのか、だれにも分からないんだ。レアル・マドリーには金銭的な余裕があるはずだしね」
「マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマンも、ハーランを獲得したいと考えている」
“揺さぶり” である。移籍市場のオープンを前に、顧客をよりよい条件に導く敏腕エージェントの手法だ。ドルトムントにハーランを放出する意志はなく、マドリー、シティ、パリSGも財政的には非常に苦しい状況だ。彼らメガクラブもご多分に漏れず、新型コロナウイルスの感染拡大で大きなダメージを負っている。1億3000万ユーロ(約169億円)といわれるハーランの移籍金を用意する余裕はない。
ライオラも、各クラブの現状と移籍市場のノウハウは百も承知だ。コロナ禍では巨額をやり取りできるはずがない。ただし、事態を静観するだけではエージェントとして失格だ。今回のようにメディアを通じて現状を脚色したり、4月にはマドリードとトリノに突然現れたり、なんらかのビジネスが進行しているかのような情報操作も、エージェントの仕事といって差し支えない。
そしてもうひとつ、ライオラの発言が『AS』によって発信されたことも注意しなくてはならない。『AS』はスペインの有力紙で、マドリーに近い。こうした関係をライオラが知らないはずはなく、ハーランに関するビジネスでマウントをとるための一環として利用したのでは、とも考えられる。
マドリーの前線は、カリム・ベンゼマを除くと物足りない。エデン・アザールは2シーズン連続でケガばかりしている。ハーランは喉から手が出るほど欲しいアタッカーだ。
コロナ禍の移籍市場とはいえ、売りたいライオラと買いたいマドリーは歩み寄れるかもしれない。ドルトムントもキャッシュが必要だ。基本方針が残留だとしても、交渉の進捗によって態度は変わる。ドルトムントは交渉上手として知られているが、ライオラとマドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、泥や汚名をかぶっても多くのビジネスを成立させてきた。
ハーランの移籍に関し、このふたりがパスを交換しはじめると厄介だ。不可能といわれた案件を剛腕でねじ伏せた経緯はいくつもある。「スーパーリーグを隠れ蓑にしても、UEFAやFIFAのミスコントロールが正当化されるわけではない」というライオラの発言も、ペレス会長をアシストしたように聞こえてくる。
ライオラは揺さぶりを得意としている。次なる一手……いや、二手三手まで考えているに違いない。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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