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モハメド・サラー
「彼らはresult machineだ」
リヴァプールのユルゲン・クロップ監督が、トッテナムを警戒している。今シーズンはプレミアリーグでエヴァートンに、ヨーロッパリーグでロイヤル・アントワープに負けただけなのだから、当然のコメントだ。ハリー・ケインとソン・フンミンのコンビに磨きがかかり、センターバックの層に不安がある守備陣も、ウーゴ・ロリスとトビー・アルデルヴァイレルトの両ベテランを軸に安定している。
「わずか数か月のパフォーマンスにすぎない」と、ジョゼ・モウリーニョ監督は謙遜したが、その表情は実に穏やかだった。手ごたえをつかんでいるに違いない。
さて、トッテナムは現地時間16日午後8時キックオフ予定のリヴァプール戦から、難しい試合が続く。
【16日】リヴァプール
【20日】レスター
【27日】ウォルヴァーハンプトン
【30日】フラム
【1月2日】リーズ
フィルジル・ファンダイク、ジョー・ゴメス、ディオゴ・ジョッタなど、負傷者が相次ぐリヴァプールだが、攻撃側のタレントは揃っている。
「サディオ・マネもロベルト・フィルミーノも、モハメド・サラーも元気そうじゃないか」
モウリーニョも油断はしていない。
また、レスターはポゼッションもカウンターもこなす曲者であり、ウォルヴァーハンプトンはダニエウ・ポデンセとペドロ・ネトのスピードが厄介だ。そしてフラムはポイントを稼ぐためなら6バックも辞さない覚悟があり、リーズを率いるのは百戦錬磨のマルセロ・ビエルサだ。
18日間で5試合という過密日程であると同時に、タイプの違う相手との闘いだ。心身ともに疲弊する。
ただ、今シーズンのトッテナムは様変わりしている。
「心が強くなってきた」(ジェイミー・レドナップ)
「不遜なほど堂々としている」(マイケル・オーウェン)
「絶対に負けないという強い気持ちが感じられる」(ロイ・キーン)
かつてのスーパースターで、現在はコメンテイターとして人気を博す男たちが異口同音に語ったように、トッテナムはモウリーニョのチームらしくなってきた。ビハインドになっても浮き足立たず、守勢にまわってもオドオドしない。掌中の勝利を逸し、“スパーズィー” と揶揄されつづけたチームはどこかに消えた。
年末年始の5試合をうまく乗り切れば、前半戦を首位で折り返す可能性が高くなる。60年ぶりのトップリーグ制覇も視野に入ってくるはずだ。そのためにはまず、アウェーでリヴァプール戦をたたくことだ。
いま、リヴァプールとの公式戦は5連敗中。アンフィールドでは2010-11シーズンの37節にラファエル・ファン・デル・ファールト、ルカ・モドリッチのゴールで2-0の勝利を収めた後、3分6敗と一度も勝っていない。まさに鬼門だ。対リヴァプールの通算成績も42勝39分73敗と、大きく負け越している。
したがって、今回の対戦はトッテナムの今シーズンを左右するといって差し支えない。優勝候補の最右翼に躍り出るのか、それともスパーズィーに逆戻りするのか。
文:粕谷秀樹
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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