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サッカー フットサル コラム 2020年7月31日

【トップ6総括:チェルシー】完全復活の手ごたえ十分

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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「サポーターの皆さんが、ここにいらっしゃらないことが残念でならない。皆さんのサポートがあったからこそ、トップ4という目標を達成できたのだからね」

チェルシーのフランク・ランパード監督が、サポーターに感謝していた。

2019-20シーズン開幕前、彼のチームは期待と不安が交錯していた。下部組織出身のメイソン・マウント、フィカヨ・トモリ、ビリー・ギルモア、タイミー・エイブラハム、リース・ジェームズなどの台頭は嬉しいものの、経験が足らなすぎる。一度つまずくと、立ち直るまでに時間がかかるのではないだろうか。指揮官は、葛藤していたに違いない。

開幕戦でマンチェスター・ユナイテッドに0-4の惨敗。出鼻を挫かれた若者たちが、自信を喪失したとしても不思議ではない状況に追い込まれた。開幕4戦は1勝2分1敗。前途多難な旅立ちである。

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また、マンチェスター・ユナイテッドにはリーグカップも含めて3回も負けた。リヴァプールにもダブルを食らい、シェフィールド、ウェストハム、ニューカッスル、サウサンプトンなどに足をすくわれている。若いチームだけに脆さも垣間見えた。

しかし、ランパードは勇気があった。成績が上がらなくても、パフォーマンスが芳しくなくても若手を信じ続け、簡単には先発から外さなかった。もし、早々とベテランに切り替えていたら、いまごろ来シーズン以降の展望を見いだせず、ティモ・ヴェルナー(来シーズンから加入)との交渉もうまくいかなかったかもしれない。

「ランパード監督の存在が、移籍を決めた大きな理由のひとつだ。自分をひとりの人間として、丁寧に扱ってくれる」

公式サイトのインタビューに、ヴェルナーが英語で答えていた。

もちろん、若手だけではない。オリヴィエ・ジルーは最終盤の活躍で契約延長を勝ち取り、ジョルジーニョはパススピードの緩急でリズムの重要性を若手に伝授した。そしてセサル・アスピリクエタは心身ともにハイレヴェルを維持。経験豊かな彼らは試合の勘所を抑え、トップ4入りに貢献している。

「今シーズン、できることはやり尽くし、4位にも入れた。しかし、チェルシーというクラブの立ち位置を踏まえると、満足できる成績ではない」

ウォルヴァーハンプトンを破ってトップ4入りを決めた後、ランパードは手綱を締め直した。こうした姿勢が続く限り、チェルシーが迷走することは二度とないだろう。

補強を見送ったにもかかわらず、アタッキング・フットボールを共通理解とするチームは、試合を重ねるごとに成長した。市場の動きから判断すると、来シーズンの展望も開けている。ピークを迎えたリヴァプールに肩を並べるまでまでにはまだ時間がかかるが、19―20シーズンより上を狙える陣容は整えられるはずだ。

完全復活へ──。チェルシーは手ごたえ十分のシーズンを終えた。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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