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サッカー フットサル コラム 2020年7月8日

T・アルカンタラはステップアップのタイミングを逸したのか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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チアゴ・マルティンス

バイエルン・ミュンヘンはマヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラー、アルフォンソ・デイビスと契約更新に至った。しかし、チアゴ・アルカンタラとルーカス・アラバに関する答は出ていない。現行の契約期間は来年6月30日まで。クラブ側の延長打診に、両選手とも首を横に振るばかりだという。

「彼らがサポートを求めてくれば、監督としてアドバイスするのは当然だ。しかし、決定権は彼らが持ち、仮に移籍を希望しているのなら、断腸の想いで受け入れなくてはならない」

ハンジ・フリック監督が複雑な心境を語っていた。

来シーズン、レロイ・ザネがマンチェスター・シティからやって来る。交換トレードの形で、バイエルンはアラバを差し出すのではないかとの情報も、イングランドでは流れはじめた。

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しかし、ファイナンシャル・フェアプレーに抵触した疑いが濃厚となったシティは、少なくとも1年間はUEFA主催の大会から締め出される公算が大きい。この案件は7月10日前後に答が出る予定だが、アラバはシティの罪状しだいでその態度を明らかにしても遅くはない。

シティ同様、マンチェスターを本拠地とするユナイテッドも、左利きのDFを探している。バルセロナも長い間、アラバをモニタリングしている。

さて、T・アルカンタラの周辺にはリヴァプールが浮上してきた。ただ、プレミアリーグのチャンピオンもコロナ禍で強化プランの見直しを余儀なくされている。4シーズンに渡るユルゲン・クロップ監督のショッピングリストをチェックしてみても、29歳の新戦力を獲得するとは考えにくい。

また、バイエルンのCEOを務めるカール=ハインツ・ルムメニゲも次のように語っている。

「チアゴが新しいチャレンジを望んでいるのだから無理強いはしない」

見事な先制攻撃というべきか、類稀なる政治手腕か、慰留しない方針をCEOみずからが明らかにしたのである。残留の道を断たれたT・アルカンタラは、早速エージェントがプレミアリーグ方面にコンタクトを図ったようだが、いまのところ色よい返事は聞こえてこない。

噂の『サウジアラビア公的資金』がニューカッスルを買収すれば、T・アルカンタラのもとにオファーが届く可能性があるとはいえ、バルセロナ→バイエルン→ニューカッスルでは、プライドが満足しない。パリ・サンジェルマンは、スペイン代表MFに興味を持っていない。

T・アルカンタラの市場価格は推定4000万ユーロ(約48億円)前後だ。ビッグクラブなら手を出せる額だ。しかし、繰り返しになるがコロナ禍では財布の紐がきつくなる。三期連続で補強を見送ったチェルシーが積極的とはいえ、彼らの次なるターゲットは左サイドバックであってMFではない。

より高いレベルで、というT・アルカンタラの意思は尊重するものの、ややタイミングを逸した感も……いや、これも新型コロナウイルスが及ぼす悪影響だ。今年の夏は楽しくない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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