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暑い夏がやって来た。しかも梅雨明けした途端に猛暑。ことしは梅雨寒だったため、急激すぎる温度差にからだが悲鳴をあげている。正直シンドイ。こんな日は外出せず、冷たいものでも飲みながら『ジェイ・スポーツ』のプログラムを堪能するのが一番だ! ヨイショ。
さて、夏の風物詩として高校野球が挙げられる。甲子園でも地区予選でも感動のドラマが展開され、多くのファンの涙を誘う。ただ、もはや日本の気候が温帯ではなく、亜熱帯に近いことも真剣に考慮すべきではないだろうか。
35℃を超す猛暑のなか、限界を超えて投げ続けるピッチャーが称賛されるなんて、教育上もよろしくはない。「本人が望んでいる」との声も聞こえてくるが、少年たちの将来をふまえておとなたちが止めるべきだ。つい先日も大船渡高校の佐々木朗希投手をめぐり、旧態依然とした精神論を振りかざす張本勲氏(野球評論家)の発言が問題になった。同氏が育ってきた時代背景とこんにちの日本は、天と地ほどの開きがある。いまは令和だ、ハリさん。からだができていない高校生に無理強いしてはいけない。
いや、からだができているおとなでも限界がある。リヴァプールのユルゲン・クロップ、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ両監督は嘆き、怒り、絶望している。
「このままでは選手が死んでしまう」
「お願いだから無駄なフレンドリーマッチは組まないでくれ」
彼らが差しているのは過密日程だ。トップランクのチームで主力を務める選手は、代表チームでも基本的に重要なポジションを占めている。したがって約10カ月にわたるレギュラーシーズンの間に、70試合前後をこなす。3~4日に1試合のペースだ。過酷な運動量を求められる近代フットボールでは、非常識なスケジュールといって差し支えない。ビッグマネーを産む代償で片づけていると、いずれ大事に至るのではないだろうか。
なんの権威もないヨーロッパ・ネーションズリーグは廃止すべきだ。チャンピオンズリーグは規模を縮小し、選ばれたクラブのみが参加するシステムに戻したほうがいいかもしれない。FIFAやUEFAのみが経済的な恩恵を浴するフレンドリーマッチも不要だ。また、夏場は原則としてナイトゲーム。選手の体調管理に重きを置き、尊い命が失われないようなプランを練り直す必要がある。
商業政策としてアジアの市場は軽視できない。この夏もシティが、チェルシーが、バルセロナが日本にやって来た。プレシーズンツアーとはいえ、スーパースターを間近に見られる絶好のチャンスではある。しかし、日本の夏は高温多湿。フットボールには適していない。アジア方面のプレシーズンツアーも含め、年間のスケジュールを再考すべきだ。アクシデントが起きてからでは、取り返しがつかなくなる。
粕谷 秀樹
ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。
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