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その「距離」というファクターはスポーツ界にももちろん影響を与えた。「本場」である本国との交流が自由にできないからだ。オーストラリアには、アイルランドのゲーリック・フットボールから派生したオーストラリアン・フットボール(オージーボール)という、他国にはない独特のルールの競技が生まれ、発展したが、これもフットボールの本場から遠く隔たっていたからに違いない。
もちろん、それでもオーストラリアのスポーツ界は数か月をかけて本国までの長期遠征を繰り返した(航空機が発展する前には、ヨーロッパにたどり着くだけでも1か月以上の時間を要した)。と同時に、距離的により近い隣国のニュージーランドや南アフリカとの交流も重要だった。「スーパーラグビー」もオーストラリアとニュージーランド、南アフリカのクラブで構成されており、そこに最近になってアルゼンチン(ジャガーズ)と日本(サンウルブズ)が参戦したという経緯になる。
そして、オーストラリアやニュージーランドにとっては、日本も比較的距離が小さく、遠征先として魅力的だったのだ。 日本とオーストラリア、ニュージーランドの間にはもちろんかなりの距離があるが、本国の英国よりははるかに近く、とくに重要なのは時差がほとんどないことだ。
そんな事情もあって、まだ航空機での移動ができなかった第二次世界大戦前からラグビーの世界ではオーストラリアやニュージーランドの強豪チームが何度も日本に遠征してきているのだ(当時、サッカー界ではヨーロッパのチームの来日といえば、イングランドのイズリントン・コリンチャンズが世界一周の途中に立ち寄ったことがあるだけだった)。
日本のスポーツ界も本場ヨーロッパとの交流が難しいことが、強化のための大きな問題になってきた。つまり、「距離の暴虐」という概念は日本のスポーツ史にも適用できるのだろう。 ワールドカップ出場が当たり前となり、世界との距離が縮まった今だからこそ、サッカー界にはその「距離の暴虐」が強化のための大きな障害となって立ちふさがってくるのである。
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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