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昨日開催された「第1回 UCI eSports世界選手権」は、女子レースではZwiftアンバサダーを務めるアシュレー・ムールマン(南アフリカ)が上りスプリントを制してアルカンシェルを獲得し、一方の男子はボート競技の世界トップランカーであるジェイソン・オズボーン(ドイツ)が最後に恐ろしい出力を発揮して世界のトップ自転車選手をあっという間に置き去りにして、それぞれ初代eSports世界王者に輝きました。
7月に開催された「バーチャル・ツール・ド・フランス」に引き続き、バーチャルサイクリングアプリのパイオニアである「Zwift」を採用して開催された「第1回 UCI eSports世界選手権」。
ZwiftとUCIが時間をかけて創り上げたレースなだけにそのクオリティは「さすが」の一言でした。
当ブログでは数年前から「いつかバーチャル世界選手権が開催されるはず!」とずっと言い続けてきましたが、新型コロナの影響もあってかあっという間にそれが実現してしまいました。
バーチャル空間の素晴らしいクオリティと安定感、そして中継(番組)としてのクオリティも高く、「もう完成してしまった」と、ある種のため息が出たほどです...。
一方で、スポーツ観戦という視点でみた場合、ちょっと辛口になりますが、「バーチャル・ツール・ド・フランス」ほどのワクワク感や楽しさを感じれなかったのも事実です。
あくまで個人的な見解ということを前提として「ドパドパとドーパミンが分泌されなかった理由」というのを以下考察してみました。
◯名前を知らない選手が多かった
◯各選手の事前のコンディションや意気込みを知ることがあまりできなかった
◯上記から派生する優勝者(順位)予想や展開予想が困難であった
◯スマホで英語実況で視聴していると人によってはわけがわからない状況だったはず
◯目に見えるレース展開がほとんどなかった
◯各選手やチームの戦略や特徴を理解することが難しかった
基本的にDo型スポーツアプリなのでプレイヤーは楽しめると思いますし、普段からZwiftに乗っているひとであればその凄さ(出力値など)を比較できるのである程度楽しめたとは思いますが、一方で、観戦型スポーツコンテンツとしてみた場合は、やはりリアルレース以上に「エンタメ要素」がないと視聴者を引き込むことは難しいと感じました。
いずれにしても高い将来性があるのは疑う余地がないので、私自身もしっかりとこの新しいコンテンツについていきたいと思います。
栗村 修
中学生のときにTVで観たツール・ド・フランスに魅せられロードレースの世界へ。 17歳で高校を中退し本場フランスへロードレース留学。その後ヨーロッパのプロチームと契約するなど29歳で現役を引退するまで内外で活躍した。 引退後は国内プロチームの監督を務める一方でJ SPORTSサイクルロードレース解説者としても精力的に活動。
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