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サイクル ロードレース コラム 2023年9月15日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第18ステージ】最愛の妻に捧げる今大会3勝目。レムコ・エヴェネプールが自らの誇りを守る圧巻の独走劇「僕は自分を誇りに思ってもいい」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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1級ラ・クルス・デ・リナレスの2回目の登坂が近づくと、再びメイン集団は活気付いた。総合8位アレクサンドル・ウラソフは渾身のアタックを試み、今度はアユソ擁するUAEチームエミレーツやマス率いるモビスターチームが、集団先頭でペースアップを敢行した。山の入り口ではまたしてもバーレーンが先頭を奪い返した。前日のアングリルで最終アシストを務めたワウト・プールスが、この日も献身的に作業に励んだ。

マイヨ・ロホのセップ・クス

マイヨ・ロホのセップ・クス

そして、またしても、ユンボ・ヴィスマが権力を掌握する。残り6km、ついにランダ自らがアタックに転じた瞬間だった。背後で厳しい監視を続けていた総合2位ヨナス・ヴィンゲゴーーが、すかさず後輪のクスに合図を送った。さらにはクスと総合3位プリモシュ・ログリッチとを引き連れて、ランダの動きをきっちり封じ込めた。

それどころか、この夏のツール・ド・フランス覇者は、メイン集団の先頭で牽引役を引き受けた。レースを完全なニュートラル状態に追い込んでしまった。ランダが2度目の加速を切っても、アユソが思い切って飛び出しても、焦らず急がず、ヴィンゲゴーはすべてを淡々と飲み込んでいく。

「ヨナスは本当に良いペースを刻んでくれた。僕は少し怖かったほどさ。だって彼にとってのイージーペースは……いや、彼にとってのマイペースとは、決してイージーなんかじゃないから」(クス)

同時に、この動きが、雄弁に語っていた。今やクスこそが堂々たるチームエースであり、ヴィンゲゴーとログリッチは、もはやクスを補佐する立場でしかないことを。前夜の3人の走りは様々な憶測と批判を呼んだが、アングリルの山頂で、どうやらチーム内の序列争いには完全なる決着がついた。ヴィンゲゴーに2度のマイヨ・ジョーヌを、ログリッチに3枚のマイヨ・ロホと1枚のマリア・ローザをもたらしたスーパーアシストは、とうとう自らがアシストされる側に回った。

「アングリルステージの前に、チームと僕ら3人との間で合意があった。全員が納得した。同時に、アングリルの後に、この先どんな作戦を取るのかも話し合った。外側から正確に把握するのは難しいかもしれないけど、僕らには、明快なプランがある」(クス)

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