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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2023 レースレポート:第9ステージ】レナード・ケムナが全グランツールステージ優勝を達成 マイヨ・ロホはセップ・クスが守って第1週を終える
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介このステージを終えて、マイヨ・ロホはクスで変わらず。トップのまま休息日を挟んで第2週を迎えることになった。個人総合2位のマルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)とは43秒差。レムコは2分22秒差とし、その7秒後ろにログリッチ、さらに4秒後ろにヴィンゲゴーとマスが続いている。第2週初日の第10ステージは25.8kmの個人タイムトライアルで、大なり小なり上位陣のシャッフルがあるものと思われる。
「特にプレッシャーは感じていない。むしろかなりリラックスしているくらいだ。タイムトライアルではベストを尽くすけど、結果がどうあれ受け入れる心構えはできているよ」(セップ・クス)
ブエルタにしては珍しく荒天が多く、この日は第2ステージに続いての計測ポイント移動になった。残り30kmを切ったところで一度「フィニッシュ前2.6kmでのタイム計測」が各チームに伝達されたが、「フィニッシュ前2.05kmでの計測」に改められた。選手も、チームスタッフも、大会関係者も慌ただしい時間を過ごしたことだろう。
「急な決定になってしまったことは申し訳ない。ただ、あの状況でフィニッシュ前のスプリントをすることになればリスクが大きくなる。フィニッシュ地点の状況については、現地のスタッフから私に連絡があり、状況を確認したうえで計測ポイントの移動を決めました」(大会テクニカルディレクター:キコ・ガルシア氏)
ベルギーのスポーツメディアでは、「今大会の明らかな敗者は大会の運営そのものだ」「ブエルタにおけるアマチュアリズムの新たな1ページ」などといった厳しい論調も。スペインでは各地で暴風雨警報が発令され、鉄道の運休や主要道路の通行止めも発生しており、レースの進行も天候や周囲の状況を見ながら判断する必要に迫られている。そうした中で、ここまで大きな事故なく選手が走り続けられている点は評価されるべきであろう。
「天気ばかりはコントロールできないからね。今日のステージは本来であればとてもきれいな景色が見られたのだけどね。最終局面がニュートラルなのは観に来たファンには申し訳ないけど、僕たちの安全を考えたら仕方のないことだよ。主催者には“正しい判断をありがとう”と伝えたい」(エンリク・マス)
アタックするログリッチ
「実際にフィニッシュまで行ってみたらかなりトリッキーだった。あの状況で競うのは無理があるね。早めに計測ポイントを置いてくれたことに感謝したい」(プリモシュ・ログリッチ)
第2週こそ、スペインらしいギラギラの太陽のもとでレースができることを願いたい。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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