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サイクル ロードレース コラム 2023年5月25日

【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第17ステージ】アルベルト・ダイネーゼが鬱憤晴らす僅差の勝利!山岳ラストバトル控える総合争い「自分は勝てるという自信と信念がある」(トーマス)

サイクルロードレースレポート by 山口 和幸
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2020年に現チームの前身であるチーム・サンウェブで、なみいる有力選手らに加わることを選んだ。このチームにはそれまでイタリア選手が加入したことはなく、スタッフとしてもバスの運転手くらいだったという。ダイネーゼのキャリアは他の若手イタリア選手よりも困難な環境に囲まれ、ネオプロフェッショナルとしての通常の浮き沈みに加えて、外国チームに順応する必要もあったという。

身体的にはそれほど大きくなく、カヴェンディッシュに似ていると言われている。チームは、「カヴェンディッシュほど多くは勝てないだろうが、勝つための適切なステージを選ぶ方法を間違いなく知っている」と、この日のスプリントを託した。ダイネーゼは見事にその期待に応えたと言っていい。

ダイネーゼ(左)がマイケル・マシューズ(中央)とミランを制した

ダイネーゼ(左)がマイケル・マシューズ(中央)とミランを制した

「こんなに僅差で勝つことはこれまで経験したことがなかった。以前は何度も僅差で負けている。ジュニアのときには手を上げたことで負けたこともある。勝ったと言われるまで緊張したままだった。この方法で勝つのがいいね」とダイネーゼ。

総合成績では前日に首位を奪還したトーマスが無難な走りでマリア・ローザを守った。翌日は自身の誕生日で、マリア・ローザを着用しての走りとなる。1948年と1949年5月23日のジョルダーノ・コットゥール、1986年6月2日のロベルト・ヴィセンティーニ、1994年6月3日のエフゲニー・ベルツィン、2006年5月7日のパオロ・サヴォルデッリ、2019年5月29日のリチャル・カラパスに続いて、大会史上6回目の記録だ。

「このジロ・デ・イタリアにしては雨も10分間でおさまったし、最も簡単な日の1つだった。フィニッシュはちょっと混沌としていて、かなり危険だったが、チームメートがそれをうまくさばいてくれたのでありがたかった」とトーマス。

「翌日からの3日間のために、できるだけ脚を使わないことを心がけていた。プリモシュ・ログリッチとジョアン・アルメイダはどちらも非常に危険な存在だ。ジョアンとのタイム差はかなり接近している。どちらも超強力なタイムトライアル選手なので、正直両方が怖い。とりわけ金曜日の第19ステージがクイーンステージだ。これまでの経験から、自分は勝てるという自信と信念がある。その場に飲み込まれないで冷静に走る手段も心得ているつもりだ」(トーマス)。

バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也は3分21秒遅れの122位でゴール。総合成績は3時間54分05秒遅れの127位。チームに貢献することと完走が目標だけに、着実に最終日に向けて走っているという印象だ。

チームメートのミラン(イタリア)は、この日4回目の2位。U23選手がこれだけ表彰台に上ったのは2004年のダミアノ・クネゴ(ステージ4勝と2位1回)以来の快挙だという。第2ステージで手中にしたポイント賞ジャージを一度も手放すことなくキープしている。

文:山口和幸

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山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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